2025年の半導体市場は7700億ドル規模にまで成長
世界半導体市場統計(WSTS)による「WSTS 2025年秋季半導体市場予測」が12月2日に発表された。
WSTSの秋季市場予測は、対象年の9月までの実績値をもとにして作成されるもので、それによると2025年の半導体市場は、6月に発表された春季市場予測の前年比11.2%増から11.3ポイント増の同22.5%増の7722億4300万ドルへと引き上げられた。また、2026年の予測も春季市場予測の同8.5%増から17.8ポイント増となる同26.3%増の9754億6000万ドルへと引き上げられ、2024年の同19.7%、2025年の同22.5%増、2026年の同26.3%増と3年連続で2桁成長が期待される状況になっているという。
AI関連が引き続きけん引役に
2025年が大幅に上方修正された背景についてWSTSでは、大手IT企業を中心とするデータセンター投資が勢いを増していることから、その積極的な投資の恩恵を強く受けるメモリ製品やロジック製品に関しては特に高成長が予測されることに加え、AI機能を搭載したスマートフォンやパソコンなどのエッジAIと呼ばれる領域も成長に寄与することが予測されたためだとしている。ただし、関税影響の顕在化やその他地政学的リスクによる不透明感があるとする一方で、各国政府による支援策などが最終需要を下支えしていることもあることから、その他の用途についても緩やかに回復していくことが予測されることを踏まえた成長率だとしている。
また、2026年の成長率がさらに高まっていることについては、データセンターへの投資が継続して進められることが予想され、メモリとロジックが高い成長率を維持すること、ならびに世界経済が安定成長に向かうことを前提とした場合、すべての製品群でプラス成長が予測されるためだとする。ただし、地政学的リスクなど先行き不透明感が払拭出来ないこともあり、AI関連以外では特段の高い成長は予測していないという。
ロジック、メモリが高い成長率を維持
そのため、製品カテゴリ別に2025年の成長率を見ると、ディスクリートが0.4%減、光半導体が3.7%増、センサ/アクチュエーターが10.4%増、ICが25.6%増としている。また、ICの内訳としては、アナログが7.5%増、マイクロが7.9%増、ロジックが37.1%増、メモリが27.8%増としている。2026年については、ディスクリートが8.2%増、光半導体が5.7%増、センサ/アクチュエーターが8.7%増、ICが29.0%増としており、ICの内訳としては、アナログが7.5%増、マイクロが13.9%増、ロジックが32.1%増、メモリが39.4%増としている。
国・地域別で成長率を見ると、2025年は米国が29.1%増、欧州が5.6%増、日本が4.1%減、アジア・太平洋が24.9%増と米国とアジア・太平洋がけん引役となるが、2026年は米国が34.4%増、欧州が11.6%増、日本が11.9%増、アジア・太平洋が24.9%増とまんべんなく2桁成長となると予想されるとしている。
AI半導体市場だけで2030年に1兆ドル到達期待
なお、これまで半導体業界は市場規模が2030年に1兆ドルに到達と言われてきていたが、現実には2027年に1兆ドルを突破しそうな勢いであることが見えてきたといえる。AMDのリサ・スーCEOは11月に、データセンター向け半導体市場だけで2030年までに1兆ドル市場へと成長するとの見通しを示しており、それが現実になれば半導体市場全体としては2030年にはより巨大な市場になっていることが期待できるようになる。WSTSでもエッジAI市場の成長にも期待を示しており、今後、そういったデータセンター以外のAI分野の成長が、さらに市場の成長を後押しする可能性があると言える。


