デル・テクノロジーズ(以下、デル)は11月18日、「Dell AI Factory with NVIDIA」のアップデートを発表した。これにより、シンプルさとパフォーマンス、柔軟性を提供し、従来型のAIからエージェント型のAIまで、アプリケーションを問わず、エンタープライズAIの開発と運用を支援する。
「Dell AI Factory with NVIDIA」は成果の促進、複雑さの軽減、ROI(Return On Investment:投資収益率)の最大化を目指す企業を支援する。デルのエンド ツー エンドのインフラストラクチャをNVIDIAのAIテクノロジーと統合し、「Dell Professional Services」の専門家によるガイダンスと合わせて活用することで、アイデアを具体的な成果に変え、進化するテクノロジーや拡張のニーズに対応できるとのことだ。
統合された自動プラットフォームで導入を加速
デルのストレージ製品とAIソリューションは、導入の自動化やパフォーマンスの最適化、リアルタイムAIアプリケーションの提供をより高い効率と信頼性で支援する。
「Dell AI Data Platform」の非構造化データ向けストレージエンジンの「Dell PowerScale」と「Dell ObjectScale」は、NVIDIA Dynamoの一部であるNVIDIA NIXLライブラリと統合されるようになった。
この統合により、スケーラブルなKVキャッシュストレージ、再利用、および共有が可能になり、インフラストラクチャのコストを削減し、GPUメモリ容量のボトルネックを克服しながら131Kトークンのフルコンテキストウィンドウ(標準のvLLMの19倍)で1秒のTime to First Token(TTFT)を実現する。
「Dell AI Factory with NVIDIA」は、NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition GPUとNVIDIA Hopper GPUを搭載した「Dell PowerEdge XE7740」、および「PowerEdge XE7745」サーバに関するソリューションが含まれるようになった。
これらの実証済みおよび検証済み製品は、次世代のAIアクセラレーションとコンピューティング能力を備え、大規模なマルチモーダルモデルから新しいエージェントAIアプリケーション、エンタープライズグレードの推論からトレーニングワークロードまで、高度なユースケースを実行する。
「Dell Automation Platform」が「Dell AI Factory with NVIDIA」に拡張された。検証済みで最適化されたソリューションをセキュアなフレームワークで展開することで、よりスマートで自動化されたエクスペリエンスを実現するという。
このアプローチは再現性のある成果を生み出し、推測で行っていた作業を減らし、NVIDIAアクセラレーテッドコンピューティング搭載によってAI主導のユースケースの可能性を最大限に引き出せるとのことだ。
Tabnineを搭載したAIコードアシスタントや、Cohere Northが提供するエージェンティックAIプラットフォームなどのソフトウェア主導型ツールが自動化され、AIワークロードをより迅速に本番環境に移行し、運用を合理化し、スケーラビリティを向上。
デルのAI PC向けエコシステムイネーブラーは、従来のデータセンターを超えて組織に拡張シリコンオプションを提供し、NVIDIA RTX Blackwell GPUとNVIDIA RTX Ada GPUをサポートすることで、より幅広いデルのデバイスとの互換性を確保する。
「Dell Professional Services」は大規模な投資に先立ってビジネス価値を検証するために、実際の顧客データを使用したターンキー方式のインタラクティブなAIユースケース パイロットを提供する。これらの専門家主導のパイロットでは、明確な成功指標とKPIを使用して実験を行うハンズオン プレビューが提供され目に見えるROIが得られるという。
次世代インフラストラクチャーでAIパフォーマンスを向上
デルのインフラストラクチャのアップデートにより、強力なパフォーマンス、スケーラビリティ、および合理化された管理性を備えたプラットフォームを提供できるようになる。これらのソリューションは、最新のワークロードに対応するための効率的なシステムの構築に役立つと考えられる。
「PowerEdge XE8712」サーバは、「Dell IR7000」ラックあたり最大144基のNVIDIA Blackwell GPUを搭載し、標準ラックで業界最高レベルとなるGPU密度を実現する。次世代のAIとHPCがラックスケールで実現し、「iDRAC(Integrated Dell Remote Access Controller)」、「OME(OpenManage Enterprise)」および高度な熱制御用の「Integrated Rack Controller(IRC)」による統合ラックレベルの自動化と監視によって補完される。
NVIDIAのCumulus OSが従来サポートしていたNVIDIA Spectrum-X プラットフォームに、「Enterprise SONiC Distribution by Dell Technologies」も新たに対応を開始する。SONiCは、ハイパースケールネットワーク機能を統一されたマルチベンダー環境にもたらすように設計されており、オープンソーステクノロジーの柔軟性と、デルのエンタープライズグレードの機能および信頼できるサポートを組み合わせて提供する。
これにより、オープンな標準ベースのAIインフラストラクチャーを自信を持って構築できるようになり、最新のワークロードに対して強力なパフォーマンスと効率的な管理を実現するとしている。
「SmartFabric Manager」の最新リリースは、NVIDIA Spectrum-Xプラットフォーム上のデルのEnterprise SONiCにも拡張される予定。これにより、手動による介入を最小限に抑えながら、導入時間を短縮し、迅速でエラーのないセットアップが期待できる。
拡大したAIエコシステムが企業に選択肢を提供
企業がAIへの投資を適切な規模で行う際には、適切なツールを選ぶことが優先事項となる。「Red Hat OpenShift for Dell AI Factory with NVIDIA」は、さらに多くの「PowerEdge」システムで検証されており、AIを大規模に運用して事業運営を変革できるよう支援する。
「PowerEdge R760xa」に加えて、NVIDIA H100およびH200 Tensor コア GPUを搭載した「PowerEdge XE9680」もサポートし、大規模なAI導入を加速したい企業により多くの選択肢を提供。Red Hat OpenShiftのツール、制御、ガバナンスを、デルのセキュアなインフラストラクチャと組み合わせることで、自信を持ってAIを拡張できるようになるとのことだ。