日本オラクルはこのほど、クラウドアプリケーション群「Oracle Fusion Cloud Applications」について、今年10月に米国ラスベガスで開催した年次イベント「Oracle AI World」で発表された内容に関する説明会を開催した。

常務執行役員クラウド・アプリケーションズ・ディベロップメント 善浪広行氏は、同イベントについて、「2025年はAIやAIエージェントが試行状態であり、AIを活用している企業は5000社程度で、決して多くはないと紹介されていた。2026年はAIが実用化する年となる。多くの顧客に、AIによってビジネスプロセスやITの実装が変わることを体感してもらった」と述べた。

  • 日本オラクル 常務執行役員クラウド・アプリケーションズ・ディベロップメント 善浪広行氏

    日本オラクル 常務執行役員クラウド・アプリケーションズ・ディベロップメント 善浪広行氏

AIによる自動化、マーケットプレイスによりエコシステム拡大

クラウドアプリケーション製品群全体の開発を主導しているスティーブ・ミランダ氏は、同氏のフィロソフィーである「必要なものをすべて提供」「価値あるイノベーション」「お客様の成功にコミット」をテーマに講演を行ったという。以下、各テーマのトピックの要点を紹介しよう。

必要なものをすべて提供

ミランダ氏は、イベントでエンタープライズAIを支える重要な要素として、「連携されたシステム」「コア・インフラストラクチャ」「透明性と信頼性」「保護とガバナンス」を挙げて説明を行ったという。各要素は下図の通りだが、この図について、善浪氏は「初めて出てきたスライド」と紹介した。

  • オラクルが掲げる、エンタープライズAIを支える重要な要素

    オラクルが掲げる、エンタープライズAIを支える重要な要素

善浪氏は、「業務をまたいでAIを活用できることが重要。AIは止まってはいけない。だから、インフラの信頼性が求められる。われわれのAIの開発の強みはOCI上で動いていること。また、われわれはサブスクリプションの範囲内でAIを提供するが、これが大きい。なぜなら、AIはアプリケーションになり、オプションとして提供する時代ではないから」と説明した。

価値あるイノベーション

小誌でも度々お伝えしているが、同社はOracle Fusion Cloud Applicationsの各アプリケーション(「Oracle Fusion Cloud Supply Chain & Manufacturing(SCM)」「 Oracle Fusion Cloud Enterprise Resource Planning (ERP) 」および「 Oracle Fusion Cloud Enterprise Performance Management (EPM) 」など)にさまざまなAIエージェントを追加しており、AIアシスタントとエージェントのその数は400に達している。

オラクル、人事におけるAIエージェントの最新動向を説明 - カギはシングル・データソース Oracle Fusion Cloud HCMに13のAIエージェントが追加、幹部が語る差別化のポイントは

  • Oracle Fusion Cloud Applicationsに追加された主要なAIエージェント

    Oracle Fusion Cloud Applicationsに追加された主要なAIエージェント

善浪氏は、Oracle Fusion Cloud Applicationsにおける、2025年のAIの進化として、AIエージェントの開発ツール「AI Agent Studio」「AIワークフロー・エージェント」「AIエージェント・マーケットプレイス」を紹介した。

Oracle Fusion Cloud ApplicationsのAIエージェントのうち、ロジックベースの自動化を行う「AIワークフロー」とインテリジェントな自動化を行う「ワークフロー・エージェント」が今回発表された。

  • Oracle Fusion Cloud ApplicationsのAIエージェントの分類

    Oracle Fusion Cloud ApplicationsのAIエージェントの分類

AIエージェント・マーケットプレイスは、パートナーがAI Agent Studioを使って作成したAIエージェントを展開するマーケットプレイス。同マーケットプレイスではLLMを切り替えて使えるほか、作ったエージェントのテストと評価も行える。

お客様の成功にコミット

同社は、顧客の変革を支援するプラットフォームとして、「Cloud Customer Connect」と「Cloud Success Navigator」を展開している。

前者はグローバルで51万人以上が参加するオンラインのコミュニティで、Oracle Fusion Cloud Applicationsの機能強化のうち、80%が顧客のアイデアに基づくものだという。

後者はAI Assistが全体に組み込まれており、事前構成されたスターター環境や導入ガイダンス、重要なマイルストーン管理、四半期ごとの最新リリース情報、そしてOracle Modern Best Practiceや品質基準へのアクセスなど、クラウドで成功するためのツールを提供している。

加えて、日本独自のコミュニティとして、「日本OATUG(Oracle Applications Technology User Group)」も展開されている。