Microsoft専門のニュースサイト「Windows Latest」は11月9日(現地時間)、「Windows 10 ESU won't work on some PCs, leaving Windows 11 as the only update path」において、Windows 10の拡張セキュリティ更新プログラム(ESU: Extended Security Update)が一部のPCで動作しないと伝えた。

欧州経済領域(EEA: European Economic Area)のユーザーと世界中のユーザーに影響する2つの不具合について明らかにし、その原因と解決策を伝えている。

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ESUは段階的に展開される

Windows 10のESUはサポートを終了した同システムに、セキュリティ更新プログラムを延長して提供するサービスだ。個人向けと組織向けに異なる条件で提供を開始しており、個人ユーザーはWindows Updateから登録することができる。

Windows Latestによると、ここ数週間で欧州経済領域のユーザーからESUの登録に関して複数の同じ問題の報告が寄せられたという。登録を開始すると「ESUへの登録はまもなく開始されます」と表示して登録できず、具体的な登録開始日の表示はないとされる。

この件についてWindows LatestはMicrosoftに問い合わせを行い、次の回答を得ている。

「Windows 10の拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)への登録エクスペリエンスは、地方の市場要因に基づき、地域によって異なる場合があります。欧州経済領域(EEA)のWindows 10ユーザー向けには10月上旬から順次開始されており、対象範囲では2025年10月15日より提供が開始されます」

つまり、欧州経済領域にはWindows 10のサポート終了後から段階的な展開を開始しており、現在も提供を完了していないとの回答だ。Windows Latestは「10月上旬にすべてのユーザーに表示される」と明言したMicrosoftの過去の発言を取り挙げ、対応がずさんだと非難している。

ESUの登録をブロックする不具合

ESUの登録については前述の問題の他にも不具合が確認されている。これは世界中のユーザーに影響する不具合とされ、ESUの登録を開始すると「問題が発生しました」とエラーメッセージを表示して失敗するという。

具体的なエラーの説明は一切なく、ユーザーは解決の糸口すら得ることができない。そこで今回、Windows Latestは原因について調査を実施している。仮説を立て検証実験を行うことで「PCをESUの適用対象外と誤認識する」という不具合を特定し、2つの要因で引き起こされることを確認している。

1つはユーザーの所在地をサポート対象地域の外側(ロシアなど)として誤検出する不具合。もう一方は個人使用のPCを組織のPCとして誤検出する不具合で、個人向けの登録手続きを拒否することでエラーを表示する。

前者はデバイスの物理的な位置や接続しているネットワークから検出しているとみられ、その影響地域は限定される。後者は個人所有のPCを組織のネットワークに接続した場合や、組織のアカウントを使用した場合に引き起こされる。これは検証実験から確認されており、世界中のユーザーに影響する可能性がある。

解決策

欧州経済領域の展開遅延については「待つ」ことが唯一の解決策となる。登録をブロックする不具合については後者について対策を実施し、それでも解決しない場合にMicrosoftに問い合わせることが推奨される。これはエラーとなった原因をメッセージから特定できないためで、できる対策を実施する他に手立てがない。

後者の解決策としては、組織アカウントによる接続をすべて切断して関連フォルダーを削除(事前のバックアップを推奨)する方法と、Windows 10のインプレースアップグレードの2つが提案されている。Windows Latestはインプレースアップグレードが確実な方法だと伝えている。

Windows 10のESUは、エラーの発生時にその原因を通知しない問題を抱えている。原因がわかれば速やかな改善につなげることが可能で、ユーザーの助けになる。MicrosoftにはESUの登録機能を改善し、正確な情報提供を行うことが望まれている。