
中国のBYDに続き、韓国の現代自動車(ヒョンデ自動車)グループのキアが電気自動車(EV)で日本に進出する。第1弾として中型バン「PV5」を2026年春に発売する。
バンは主に貨物を運搬する屋根付きの商用向けの自動車だ。その中で日本ではEVバンの品揃えは少ない。一方で、企業などの脱炭素化の流れは強くなっており、市場は拡大すると見込む。1年目は法人向けを中心に1000台の販売を目指す。
親会社の現代の日本法人も既に日本に進出済みで、4月に発売した小型EV「インスター」の日本での累計受注台数が500台近くに達している。ヒョンデはディーラーを持たない直販モデルを展開しており、ファミリーマートと協業してコンビニエンスストア店舗での試乗を実施したりなどしている。
韓国勢よりも存在感が高いのがBYDだ。26年後半にも日本の独自規格である軽自動車のEVを投入する考えで、10月下旬に開催された「Japan Mobility Show 2025」で参考出品した。200万円台と手頃な価格になりそうだ。
日本ではEVの普及率は2%弱と低いままだが、35年にはガソリン車の販売禁止が予定されているため、「今はハイブリッド車などの引き合いが強いかもしれないが、EVは必ず電動化の本命として躍り出る」(関係者)といった見方が多い。
日本勢も負けじと新型EVを投入している。ホンダが9月に軽EV「N︱ONE e:」を発売し、同月の販売台数で日本のEV市場を牽引してきた日産自動車の軽EV「サクラ」を抜いた。スズキも初のEV「eビターラ」を来年1月から日本で発売。
トヨタ自動車も航続距離を従来から25%増の最大746キロに伸ばした一部改良したEV「bZ4X」を発売するなど、国内外入り乱れてのEV戦争が徐々に熾烈さを増している。
ただ、今後の競争の軸は電動化だけでは済まない。「SDV(ソフトウエア定義車両)に代表される知能化がカギを握る」(アナリスト)。知能化では中国のIT企業などが巨額の開発費を投じて同国で勢力を広げているだけに、今後の競争は業種の垣根を超えたものになる。