NEC・富士通・日立が2025年度第2四半期の決算まとめ - 3社ともに増収、その要因は

NEC、富士通、日立製作所（日立）の3社は10月29日および30日に、2025年度第2四半期の決算をそれぞれ発表した。BluStellar、Uvance、Lumadaなど、各社が展開するDX（デジタルトランスフォーメーション）支援事業が好調だった。NECと日立は年間業績の見通しを上方修正している。

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NECはBluStellarが想定以上のペースで拡大

まずは、29日に決算を発表したNECから紹介する。同社の売上収益は前年同期比576億円（7.3%）増の8541億円、調整後営業利益は同415億円（4.5%）増の899億円だった。Non-GAAP営業利益は同389億円（4.1%）増の875億円だ。

また、上期通算で見てみると、売上収益は同836億円（5.6%）増の1兆5698億円、調整後営業利益は同706億円（4.3%）増の1316億円。Non-GAAP営業利益は同626億円（3.8%）増の1275億円となった。

NEC 2025年度第2四半期の決算概況

取締役代表執行役 Corporate EVP 兼 CFOの藤川修氏は決算会見で、「国内ITとANS（航空宇宙・防衛）が好調で、大幅な増益につながった」と説明した。

また、特にBluStellar事業が想定以上のペースで伸長。収益性の向上を実現しており、第2四半期の売上収益は同24.3%増の1631億円、調整後営業利益は同220億円増の257億円を記録した。

NEC ITサービスの状況

同社は足元の業績進捗を反映し、通期業績予想を上方修正。2025年度の売上収益の従来予想としていた3兆3600億円に対し、10月29日時点の予想として600億円増の3兆4200億円に変更した。

調整後営業利益については従来予想の3100億円から200億円増額の3300億円に、Non-GAAP営業利益も従来予想から200億円増額の3400億円に、それぞれ新たな予想を発表した。

富士通はUvanceが成長し営業利益・当期利益ともに過去最高

次に、30日に決算を発表した富士通について紹介する。連結合計の売上収益は前年同期比143億円（0.9%）増の1兆5665億円、調整後営業利益は同552億円（83.6%）増の1213億円、当期利益は富士通ゼネラルと新光電気の売却益を計上したことで、過去最高となる2620億円を記録した。

同社が成長ドライバーとしているサービスソリューションは、売上収益が同489億円（4.8%）増の1兆665億円、調整後営業利益は同309億円（34.8%）増の1196億円だった。国内を中心にDXやモダナイゼーションの商談が伸長した。

富士通 2025年度第2四半期の決算概況

サービスソリューションセグメントを支える大きな柱の一つであるUvanceは、受注高が同955億円（43%）増の3186億円、売上収益は同1103億円（55%）増の3110億円だった。その内訳は、Vertical（社会課題を解決するクロスインダストリーの4分野）が94%増の1226億円、Horizontal（クロスインダストリーを支える3つのテクノロジー基盤）が37%増の1883億円。

もう一つの柱であるモダナイゼーションは、受注高が同45億円（3%）増の1541億円、売上収益が同445億円（38%）増の1613憶円となった。前年のパブリック系の大型商談獲得の影響を受けて伸長率が低く見えるものの、高い水準で推移しており、計画に対する進捗は順調だという。

富士通サービスソリューションの状況

代表取締役副社長 CFOの磯部武司氏は「個々のお客様単位では経済状況変化に応じて凹凸があるものの、商談パイプラインの総量は全方位で拡大傾向が続いている。下期も着実な商談獲得を図るとともに、さらなる商談の拡大を進める」と説明した。

日立はエナジー領域が拡大しグループ全体で売上収益2000億円の上方修正

3社目は30日に決算を発表した日立だ。売上収益は前年同期比8%増の2兆5290億円、親会社株主に帰属する四半期利益は1637億円増の2806億円で増収増益となり、調整後EBITA（Adj. EBITA）は3242億円で第2四半期として過去最高を記録した。

こうした成長をけん引したのがエナジー領域。特にパワーグリッド事業では、送電網設備の更新や再生可能エネルギー電源接続などの需要が継続的に好調だった。

エナジー領域に加え、モビリティおよびコネクティブインダストリーズの好調を受け、同社はグループ全体で、売上収益を2000億円、Adj. EBITAを1000億円、2025年度の利益を400億円、それぞれ予想を上方修正した。

日立 2025年度第2四半期の決算概況

同社はLumada事業について、シンプルな2区分に見直しを行った。執行役員専務 CFOの加藤知巳氏は「Lumadaが日立連結での8%の売上収益成長率を牽引した」と説明。前年比47%増とされた同事業の売上収益成長については、事業区分の見直しによって新たに含まれる事業が存在した影響があるものの、「仮に昨年度と同じ基準に補正した場合でも、この第2四半期での売上収益は前年比で20%成長している」と、Lumada事業の順調な成長を強く示した。