高温環境下での圧力分布を見える化できるフィルム
富士フイルムは10月15日、最大220℃の高温環境下でも圧力分布を可視化できる圧力測定フィルム「高温用プレスケール 100/200」を発表した。
プレスケールは、接触した物同士の圧力や面圧のバランス、分布を簡単に測定できるフィルムで、発色剤層と顕色剤層で構成され、圧力が加わると発色剤層のマイクロカプセルが破れて顕色剤と染料が化学反応を起こして赤く発色。圧力の大きさに応じて発色濃度が変化するため、面全体の圧力分布や圧力値を見える化できるため、半導体製造や自動車部品の熱プレス工程など、温度管理が難しい製造現場における圧力測定の課題を解決するソリューションとして注目されている。
高温対応の圧力測定フィルムで検査工程を効率化
従来のプレスケールは20~35℃の範囲での使用が推奨されていたが、新製品は最大220℃までの高温環境に対応。独自の精密塗布技術とマイクロカプセル技術に加え、耐熱基材を採用することで高温下でも安定した発色と高精度な圧力分布の可視化を実現したとのことで、これにより装置の冷却や再加熱といった工程を省略でき、検査時間の短縮と生産性の向上を図ることができるようになるという。
モバイルアプリと連携して、圧力測定をデジタル化
また、同プレスケールは、発色画像を解析して圧力を数値化して見える化できるモバイルアプリ「プレスケールモバイル」と連携が可能で、発色したフィルムをスマホで撮影するだけで、平均圧力や加圧面積などさまざまな圧力データを自動で数値化することができるため、検査業務のデジタル化と品質管理の高度化を推進できると同社では説明している。
製品ラインアップとしては、加圧温度と圧力範囲に応じて5種類が用意されており、第一弾として使用推奨温度35~150℃(両面加熱)で、0.2MPa~0.6MPaに対応する「高温用プレスケール100 LLLW」ならびに0.5MPa~2.5MPaに対応する「高温用プレスケール100 LLW」の2製品の供給が開始されている。残りの3製品(使用推奨温度35~150℃、2.5MPa~10.0MPa対応の「高温用プレスケール100 LW」、150℃~220℃/0.2MPa~0.6MPaの「高温用プレスケール200 LLLW」、150℃~220℃/2.5MPa~10.0MPaの「高温用プレスケール200 LW」)については、2026年2月以降、順次発売を開始する予定だという。
なお、同社では主な適用シーンとして、半導体製造におけるウェハボンディング工程や包装装置のヒートシールバー、基板製造における熱プレス/ラミネート装置などを挙げている。
