Windows Centralは9月22日(米国時間)、「Trump's $100K H-1B visa fee stuns Microsoft, tech industry|Windows Central」において、米国のH-1Bビザを巡って多くの混乱が巻き起こっていると報じた。

Microsoft、Amazon、GoogleなどのIT大手は、対象の従業員に米国内にとどまるよう勧告したという。

大統領令署名からわずか2日で発行

H-1Bビザは米国の就労ビザの一つで「専門技術者(特殊技能者)」を対象とする。毎年数万件の割り当てがあるとされるが、米国政府は組織的な乱用によってアメリカ人労働者の雇用が失われていると指摘。経済安全保障と国家安全保障の両方を損なうとして、9月19日(米国時間)、トランプ大統領はH-1Bビザ申請に10万ドルの手数料を課す大統領令に署名した。

大統領令の発表当初、対象者に「毎年」手数料を課すものとして伝えられ、また発行時に米国外にいる場合も影響を受けるとされた。そのため外国人材に頼るIT企業などでは出国しないよう緊急の通知を出すなどの対応に追われたという。

その後、ホワイトハウスのKaroline Leavitt報道官は「これは年会費ではない」と投稿し、新規のビザ申請時に限り適用されるとの最新情報を発表した。Windows Centralはこの投稿について、「Lutnick商務長官が大統領執務室のブリーフィングで、これは年会費だと繰り返し述べた」とするコミュニティノートが付けられたと指摘している。

  • Karoline Leavitt報道官の投稿

    Karoline Leavitt報道官の投稿

外国人専門技術者と称する低賃金労働者の実態

米国政府の懸念は現実の問題となっている。ホワイトハウスの公式発表によると、「あるソフトウェア会社は、2025会計年度に5,000人以上のH-1B労働者の採用を承認させたが、ほぼ同時期に15,000人以上の従業員をレイオフした」という。

レイオフ対象に外国人材を含む可能性もあるが、H-1Bが外国人労働者のみであることを考えると、外国人への置き換えを推進しているように捉えることができる。また、他のIT企業でも同様の行動がみられ、加えて比較的低賃金の労働者が多く含まれることから、H-1Bはアメリカ人労働者の賃金と就労機会に悪影響を及ぼしているとの見方がある。

H-1Bの本来の目的は「アメリカ人労働者が不足している職種に、高度なスキルと教育を受けた外国人を就労させる」ことにある。少なくとも、低賃金の外国人を雇うことは想定されていない。米国政府はこの点を強調し、企業に高いコストを課すことで乱用を阻止したい考えだ。発表当初は混乱を招いたが、この大統領令により本当に必要とされる専門技術者の雇用につながることが期待されている。