電通デジタルは9月9日、生成AIを活用したマーケティングについて、業界潮流および同社の取り組みを紹介するメディア向け説明会を開催した。電通デジタル CAIO(Chief AI Offiser:最高AI責任者)の山本覚氏が説明を行った。
注目される「GEO」とは?
電通デジタルは、今後のマーケティング活動において、AIが生成する回答に自社情報を適切に反映させるための「Generative Engine Optimization(GEO:生成エンジン最適化)」、生成AIを活用した広告など、新たなマーケティング手法である「Generative Engine Marketing(GEM:生成エンジンマーケティング)」への対応が必要になると考えているという。
2025年7月3日に発表された電通の「対話型AIとの関係性に関する意識調査」によると、「気軽に感情を共有できる対象」として、「母」や「親友」を抑えて、「対話型AI」が1位になるなど、AIの存在は大きいものになっている。
このような背景から、生成AIサービスを活用した検索・問い合わせ体験が一般化し、従来の検索エンジン最適化(SEO)に加え、AIが生成する回答に自社情報を適切に反映させるための新たな対策が求められるている。
それを実現するには、従来のSEO施策だけでは網羅できない生成AI特有の回答構造や情報抽出のロジックに対応するため、より構造的・戦略的な情報設計とデータ公開が必要だ。
そこで、生成AIがユーザーに対して行う回答に、企業のブランドや商品を引用させるために必要な手法である「GEO」やGEOを活用した「GEM」といったマーケティング手法が注目されるようになったという。
「生成AIが登場したことにより、マーケティングファネル上に対話・相談フェーズが登場しました。この対話を通じて、潜在層へのリーチや既存顧客対応の向上、リピートなどが見込めます」(山本氏)
これまで電通デジタルは、パーソナライズAIを活用した「顧客応対のパーソナライズ化によるリピート購入などの向上」や、営業AI・コンシェルジュAIを活用した「対話による購買率向上」などに取り組んできた。
今後は「対話型広告」や「"続きはチャット検索"」の仕組みを用いて、潜在層へのリーチに挑戦していくという。
電通デジタルの「GEOコンサルティングサービス」
このような潮流を受けて、電通デジタルは、2025年5月にGEOコンサルティングサービスをリリースした。
このサービスは、従来のSEO戦略に加えて、生成AIが参照する情報源や出力ロジックに最適化したコンテンツ設計、データの構造化、大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)視点でのコンテンツ検証を一貫して支援するもの。
「広告効果予測の実施(∞AI Ads)など0、生成AIを活用した分析を行ってきた知見」、「SEOに関するエキスパートの知見」、「2024年10月からGEOサービスを展開している電通中国の知見」をかけあわせた、電通デジタルの強みを生かしたサービスとなっている。
同サービスは保険・金融、食品・飲料を中心にクライアントを増やしているそうで、現在はエキスパート知見と実データによるGEOエージェント開発中とのこと。まずは2025年内に社内運用をスタートし、2026年度には社外への提供を予定している。
生成AI広告のUS動向とGEMの未来
さらに、山本氏は「生成AI広告のUS動向とGEMの未来」として、「AIモード」の登場について説明した。
「AIモード」とは、Google検索に組み込まれたAIチャットとAI検索が融合した機能で、従来の検索のようにリンクのリストが表示されるのではなく、会話形式のインタフェースでAIがユーザーの質問に直接回答するもの。
電通デジタルは「AIモード」の本格グローバル展開に先立ち、日系企業のUSで「AIモード」の広告運用サポートを検証した。
さらに今回の説明会が実施された9月9日には、AIモード」が日本語を含む5言語で新たに利用可能にされることが発表された。電通デジタルは、AIモードの日本上陸を受け、「AIモードの国内対応のサポートチーム」を発足したという。
山本氏は、GEMの未来について、「次世代体験として『ARグラス』や『自動運転』などにも展開されていくことが予想されている」として、今後も引き続き取り組みを進めていくと語っていた。







