千葉興業銀行は今年6月、NTT DXパートナーと連携し、地域企業の経営に関する課題解決と持続的な成長を支援するコミュニティプラットフォーム「ちばCoラボ」の構築に向けた取り組みを開始すると発表した。同行は、長期経営戦略において、あらゆるステークホルダー同士がつながる「CKB コミュニティの確立」を掲げており、「ちばCoラボ」はその一環として行われる。
今回、今年10月に開始を予定している「ちばCoラボ」の狙いや特徴について、千葉興業銀行およびNTT DXパートナーの担当者に聞いた。
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左から、千葉興業銀行 デジタルイノベーション部 調査役 石川駿也氏、千葉興業銀行 デジタルイノベーション部 部長代理 粟野秀人氏、NTT DXパートナー 地域企業支援事業部 コミュニティプロデューサー 中原郁美氏、NTT DXパートナー 地域企業支援事業部 コミュニティプロデューサー 熊谷恵実氏
企業同士の交流や情報共有の場を提供
「ちばCoラボ」では、同行がこれまで地域企業を支援してきた経験を生かしてハブとなり、業種や企業規模を超えて地域企業同士が学び合い、成長し合う場としてコミュニティを立ち上げる。企業間でビジネス変革やDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する最新トレンドや実践知を中心に共有し、その輪を広げていくことを目指している。
「ちばCoラボ」の狙いについて、千葉興業銀行 デジタルイノベーション部 部長代理 粟野秀人氏は、次のように説明する。
「2022年に作った長期経営戦略では『親切なパートナーとして、みなさまの幸せをともにデザインし続ける』ことを掲げました。『幸せをデザインする』というのは、親切な相談相手として、お客さまに幸せをもたらす多様な潜在ニーズを共有し、その実現に向けて伴走し続けることです。それによりつながりを強くし、コミュニティをどんどん大きくして、われわれが地域と一緒に発展していこうというコンセプトです」
その取り組みの一つとして、今回立ち上げるのが「ちばCoラボ」。NTT DXパートナーが提供する「DXSTAR for Bank」を活用し、コミュニティプラットフォームを構築する。オウンドメディアにより地域企業が取り組むDXの事例や千葉興業銀行の専門家によるトレンド解説を発信するほか、オンラインコミュニティの場を提供し、企業同士の交流や情報共有の場として利用してもらうことを考えている。
また、「DX診断ツール」を提供し、質問に答えていくと自社のデジタル成熟度を可視化できるようにする。さらに、リアルイベントも開催し、実践につながる学びの機会とネットワーキングを促進していく計画だ。
そして同行は、「DXに取り組みたくても何から始めればよいのかわからない」「自社に合った進め方がわからない」といった顧客の声に寄り添い、「ちばCoラボ」の機能・サービスを通じた課題解決を支援する。
なお、コミュニティプラットフォームは2025年10月初旬にオープンする予定で、現在コンテンツの準備が行われている。
目標は「デジタルとリアルのハイブリッドコミュニティ」
「ちばCoラボ」の当面の目標について、千葉興業銀行 デジタルイノベーション部 調査役 石川駿也氏は次のように語る。
「まずは地域企業やステークホルダー同士の交流の場を作り、いろいろなノウハウをお客様同士が共有し合うところからスタートします。さらに、発展的に異業種交流しながら新たなビジネスを生み出していくことで、地域創生につなげます。こうした取り組みにより、当行の営業が届いていない顧客に対してもコミュニティを使ってアプローチしていくこと、営業担当が気づかないニーズを拾うことによってコンサルティングにつなげられると思っています」
「ちばCoラボ」は、地域企業のビジネス変革、DXをテーマに展開する予定だ。同行がハブとなってさまざまなコミュニティ施策を展開。対面のイベントも合わせて実施し、顧客同士の信頼関係を構築しながら活性化させていく。また、コミュニティを通じて企業のニーズや課題をコミュニティマネージャーが把握し、同行が提供する支援サービス(ビジネス変革・DXを支援するコンサルティングなど)につなげていく狙いだ。
「お客様の囲い込みを目指したクローズドなコミュニティは多いと思いますが、われわれはデジタルとオフラインのハイブリッドに よるコミュニティをオープンに展開し、拡張させることを目指しています。オフラインの利点も生かし、いろいろなお客様にたくさん集まっていただくことで、CKBコミュニテ ィの輪を大きく、強くしていきたいと考えています」(粟野氏)
「ちばCoラボ」では、立上げ初期のターゲットとして、ビジネス変革やDXに取り組んだ経験や地域貢献意欲の高い、地域のリーダー企業を中心に展開することを目指している。
「最初にリーダー層が集まって盛り上げていかないと、コミュニティの発展も期待できません。そのため、ビジネス変革やDXを実践していて、地域企業の方々にノウハウを還元したいと考えている企業に集まっていただき、つながりを広げていくことに取り組んでいきます」(石川氏)
プラットフォームとして「DXSTAR for Bank」を活用
「ちば Co ラボ」では、NTT DXパートナーが提供する金融機関のための企業DX支援プラットフォーム「DXSTAR for Bank」を活用している。このプラットフォームは金融機関向けに「DX推進ポータルサイトの構築」 と 「共創コミュニティ構築支援」 をワンストップで提供する。NTT DXパートナーが実践してきた全国300社以上のDX支援と共創コミュニティ組成のノウハウを集大成したものとなる。
「ちば Co ラボ」で提供するオウンドメディアの記事も、NTT DXパートナーが取材しコンテンツ化する予定だ。
提供するコンテンツについて、NTT DXパートナー 地域企業支援事業部 コミュニティプロデューサー 中原郁美氏は次のように説明する。
「地域の経営者が取り組んでいるDXの事例や想い、また、DX以外にも経営者の方が人材育成や経営とどのように向き合っているかなどを記事にしていく予定です。オンラインコミュニティでは、トピックごとに複数のチャンネルを設け、情報交換や交流が活発に行われる場を作りたいと考えています。また、コミュニティマネージャーに気軽に相談できる場としても活用していただきたいです。企業のみなさんとの交流を深めることで、知りたい情報や開催してほしいイベントなどのアイディアをいただき、共にコミュニティを盛り上げていければと思います」
企業同士のコミュニティ構築については、NTT DXパートナーはすでに「山梨DX 推進支援コミュニティ」での実績がある。「ちば Co ラボ」では、その知見も生かしていく予定だ。
NTT DXパートナー 地域企業支援事業部 コミュニティプロデューサー 熊谷恵実氏は「山梨DX 推進支援コミュニティ」で得た知見の活用ついて、次のように語っていた。
「デジタルと並行して対面のイベントなども重ね、そこで出た意見やニーズ、課題を拾い上げて次の施策に生かすことは、山梨DX 推進支援コミュニティで実績があります。『ちば Co ラボ』でも千葉の企業ならではの課題やニーズを吸い上げて記事やイベントに生かし、オンラインコミュニティで交流していくところは、山梨での知見を活用しながら実践していきたいと思っています」





