IBMとAMDは、「量子セントリック・スーパーコンピューティング」と呼ばれる次世代コンピューティングアーキテクチャを共同開発すると現地時間8月26日に発表。量子コンピューターと高性能コンピューティングの連携を模索することで、より強力なハイブリッドモデルの構築をめざす。両者の連携を示す、最初のデモンストレーションは2025年後半に計画している。
高性能な量子コンピューターとソフトウェアの開発の知見を持つIBMと、高性能コンピューティングやAIアクセラレータの知見を持つAMDが連携し、“コンピューティングの未来を再定義する”スケーラブルなオープンソースプラットフォームの開発で協力。AMDのCPUやGPU、FPGAを、IBMの量子コンピューターと統合する方法を模索する。AMDはまた、フォールトトレラント量子コンピューティングの重要な要素である、リアルタイムエラー補正機能を提供する。
量子セントリック・スーパーコンピューティング(Quantum‑Centric Supercomputing)は、量子ビットの独自の特性を利用する量子コンピューティングと、「0か1」を扱う古典的なコンピューターアーキテクチャに基づいて構築された高性能コンピューティング(HPC)を組み合わせ、非常に複雑な現実世界の問題を解決する計算システムを構築するアプローチ。
既存のワークフローに量子コンピューターを導入することで、従来の高性能コンピューティングの限界を克服し、両方のシステムの計算効率と能力を向上させることをめざす。IBMでは数年前から量子セントリック・スーパーコンピューティングへの取り組みを進めてきた。
両者はほかにも「Qiskit」などのオープンソース・エコシステムが、新たなアルゴリズムの開発と量子セントリック・スーパーコンピューティングの広がりを促進する可能性も模索していく。
IBM 会長兼CEOのArvind Krishna氏は、「量子コンピューティングは自然界をシミュレートし、まったく新しい方法で情報を表現するだろう。IBMの量子コンピュータとAMDの高度な高性能コンピューティングテクノロジーがどのように連携できるかを探求することで、従来のコンピューティングの限界を超える強力なハイブリッドモデルを構築する」とコメント。
また、AMD 会長兼CEOのLisa Su博士は「高性能コンピューティングは、世界で最も重要な課題を解決するための基盤だ。IBMと提携して高性能コンピューティングと量子技術の融合を模索することで、発見と革新を加速させる大きな機会が見出される」と述べている。

