三井不動産は8月20日、三井デザインテックおよび東京大学大学院 経済学研究科・稲水伸行准教授とともにシェアオフィスの利用効果を定量的に把握するため、2022年と2024年の2回にわたり統計分析調査を実施した結果について報告した。
研究の背景
リモートワークの普及により、シェアオフィスやコワーキングスペースを活用する働き方が広がっている。しかし、こうした柔軟な働き方が生産性や働く人の意識にどのような影響を与えるのか、定量的な検証は進んでいない。そこで3者は、場所にとらわれない働き方が生産性の向上につながることを確認するため、調査を実施した。
シェアオフィス利用者へのアンケート調査
調査ではまず、シェアオフィス利用者へのアンケート調査を実施し、「生産性」「組織へのコミットメント」「クリエイティビティ」などシェアオフィスの利用とその効果の相関関係を調べた。
アンケートは首都圏の従業員数100人以上の企業に勤める22~59歳の正社員が対象で、4118人が回答。調査対象を「オフィス型」「オフィス+自宅型」「シェアオフィスも利用するハイブリッド型」に分けて調査した結果、「シェアオフィスも利用するハイブリッド型」は「生産性」「組織へのコミットメント」「ワークエンゲージメント」「クリエイティビティ」「イノベーション」「集中度」「職務満足度」など多くの項目の数値が有意に高くなっており、相関関係が認められたという。
シェアオフィス利用前後の違い
次に、EYストラテジー・アンド・コンサルティングのワーカー(事前調査195人、事後調査222人)を対象とした追跡調査によって、シェアオフィス未経験者が3カ月間「ワークスタイリング」を利用した前後の回答結果の違いを分析した。同期間にシェアオフィスを利用しなかったワーカーも調査し、両者の回答結果を比較することでシェアオフィス利用による効果を確認した。
回答を分析した結果、シェアオフィスを利用することで「組織へのコミットメント」「集中度」、そして「はたらく人の幸せ因子」のうち「チームワーク」「他者貢献」「自己成長」「自己裁量」の数値が有意に高くなっており、因果関係が認められた。
はたらく人の幸せ因子とは、「パーソル総合研究所・慶應義塾大学前野隆司研究室」の研究で開発された、働く人の幸せを測る尺度。これらの因子によって幸せに働いている実感が高められるとされる。


