Ansysは、同社ソリューションの最新版となる「Ansys 2025 R2」を発表した。
バーチャルアシスタントを新たに導入
同バージョンでは、同社が長年培ってきた技術的専門知識を基に開発された、安全性・堅牢性・信頼性に優れたバーチャルアシスタント「Ansys Engineering Copilot」を新たに導入。これによりMechanical、Discovery、Fluent、HFSS、Electronics Desktop(AEDT)、Scade One、Speos、Maxwell、optiSLang、LumericalといったAnsys製品内において、AIを活用した支援機能が直接的に提供されることとなり、一貫性のあるシームレスなユーザー体験と、広範な知識ベースへの即時アクセスを実現することができるようになるという。また、同アシスタントにはFoundry ModelsにおけるAzure OpenAIを含むMicrosoft Azure AI Foundryと統合されたAnsysGPTも含まれており、すべてのAnsysのWebサイトや数千の記事、800以上のイノベーションコース、グローバルなユーザーフォーラムへの対応とともに、サポートケースの作成および追跡管理なども行うことを可能としたという。
またAI活用としては、HFSSにおいて5G/6G、レーダーセンサー、衛星通信などのアプリケーションにおいて不可欠な放射パターン計算の速度が17倍向上し、フェーズドアレイアンテナのビーム制御シミュレーションの精度が向上したとするほか、7製品においては、シミュレーションを簡単かつ高速で、よりアクセスしやすいものにするビルトイン型AI機能「AI+」を搭載したという。また、このAI機能には、軌道精度向上のための新しいAnsys Missions AI+ ODTKツールも含まれるとする。
さらに、optiSLangとAnsys SimAIプラットフォームが統合され、データセットの作成とAIのトレーニングを加速することが可能となったともしており、これらの機能を改善されたデータ処理および自動化と組み合わせることで、組織は新たな効率化を実現し、効率的で拡張可能なワークフローを構築することができるようになると同社では説明している。
Ansys 2025 R2 | Accelerating Innovation with AI
Python連携をさらに強化
このほか、同バージョンでは、データの処理と管理タスクを簡素化し、企業全体の効率とコラボレーションを向上させることで、デジタルエンジニアリングを進化させることにも成功したとする。ロバストなデータ管理戦略により、企業は製品ライフサイクル全体を通じてデータの完全な有用性を引き出し、AIモデルをトレーニングし、自信を持って合成データを生成できるようになったとするほか、モデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)の機能強化により、チームは信頼できる唯一の情報源からコラボレーションできるようになり、デジタルな継続性とチーム間のコラボレーションが保証されるようになるともしている。
加えて、Pythonを用いてAnsys製品を操作することを可能とするソリューション「PyAnsys」に、新たにPySTKとPyChemkinが追加された。これらのライブラリはAnsysソリューションへのPythonインタフェースを提供し、ワークフローの自動化を実現することで、アプリケーション全体での生産性向上と効率化を促進するものだという。
個別製品ごとに性能や機能を強化
また、個別製品ごとの機能強化としては、Ansys Mechanicalでは、新しい混合ソルバーにより、大規模な非定常モデルにおけるパフォーマンスが向上し、時間経過に伴う熱変化の効率的な解析が可能となったほか、新しいメッシュフローにより、手動設定を排除し、複雑で積層された電子システムのメッシング速度、レンダリング、および操作性を向上させたとする。Ansys RockyおよびAnsys FreeFlowでは、熱、流体-構造、電磁界の連成解析を含む高度なマルチフィジックス機能を提供したことで詳細なシミュレーションとパフォーマンスの最適化を実現したとする。Ansys PowerXデバッグツールでは、寄生問題の迅速な特定、設定作業の効率化、効率的な2次元メッシュの生成によって、半導体パワーデバイスにおける設計時間を短縮することを可能にしたとする。Ansys Icepak電子機器冷却シミュレーションソフトウェアでは、GPUのアクセラレーションによる性能向上を実現。より高速な反復計算、より多くのシミュレーション、および困難な電熱応用分野におけるより深いインサイトを提供することを可能としたとする。Ansys Discoveryでは、メッシュ生成機能の向上により、シミュレーションの信頼性と品質が向上し、解決までの時間を短縮したとするほか、新たなGPU機能により、より迅速で確信を持った設定が可能になったとする。そしてAnsys Cloud Burst ComputeのオンデマンドHPC機能は、Ansys SpeosやAnsys Lumerical FDTDを含む6つのAnsys製品内で利用可能となったとのことで、セットアップやITサポート、HPCの専門知識ななくても容易に利用することが可能となったとしている。