天地人は、衛星データを活用した水道DXソリューション「天地人コンパス 宇宙水道局」に新機能を追加したと8月18日に発表。スマートフォンやタブレットの地図上で水道管を選択するだけで、管路の属性情報を自動入力できるようになり、漏水調査結果の現地登録作業において最大6項目の入力を省略、最短5秒で登録を完了できるようにしたとしている。
宇宙水道局は、衛星データを活用して水道事業を支援するソリューションとして、JAXA認定の宇宙ベンチャー・天地人が提供するもの。約100m四方のメッシュ単位で漏水リスクを5段階で診断し、管路ごとのリスクを診断するシステムを組み合わせることで、水道インフラの状態を細かく把握。より効率的に維持管理することを可能にする。
新機能の導入により、紙の図面の印刷や準備、現地での管路特定、手作業での転記作業を不要にしたのが大きな特徴。たとえば、深夜の住民通報対応で一度事務所に戻り、図面を印刷してから現地に向かうといった作業プロセスも解消でき、モバイルデバイスのみで迅速かつ正確な漏水情報の登録ができるようにしたという。
同社では、画面を開いて「保存」ボタンを押すまで最短5秒で登録完了できるようにしたとアピール。対象となる自治体に順次案内し、提供を積極的に進めていく。
これまでの漏水調査業務では、現地で紙の図面から該当する水道管の情報を探し、手作業で属性情報を宇宙水道局のシステムへ転記する必要があった。しかし図面の準備忘れや転記ミス、情報紛失が発生するという問題が浮上していた。
そこで、業務の流れに合わせて登録画面を4つのステップに分割し、各段階で必要な情報を確実に記録できるよう改善。地図上で該当する水道管をワンタップで選ぶだけで、管材質や口径、布設年度といった詳細な属性情報が自動的に入力フォームに反映されるようにした。
水道管データを標準化したことで、こうした属性情報の自動反映を可能にしている。さらに、写真登録機能の追加や必須入力項目を廃止することで、現場での負担を軽減する。
新機能で実現すること
- 情報を簡単に・正確に管理
- 地図上から選択して登録できることによる時間短縮
- 水道管データと漏水地点を結びつけることによる情報の正確性
- 登録項目の拡充(写真や管種など)による情報の幅
- 水道管データの標準化による今後の精度・拡張性の向上
- 表記ゆれをなくすことによる、集計・検索・解析の精度向上
- 管路台帳との差分検出による、台帳更新の手間の削減
- 広域連携などを見据え、事業者間でのデータ共有や統合がスムーズに
同社によると、こうした新機能の実現の背景には1年越しの技術開発で実現した、水道管データの標準化システムの存在があるという。
これまで水道管データは、自治体ごとに形式や表記方法が異なり、管材質や継手の呼び方も異なっていた。その違いが原因で、同じ項目でも名称の揺れで検索に引っかからない、データ検索や集計の手間が増える、分析の比較が難しくなるなどの問題が起きていたという。
こうした問題を解決するため、同社では約1年をかけて共通フォーマットを策定し、データ変換システムを開発。どの自治体でも統一された操作感で、水道管情報を活用できる環境を整えた。
将来的な事業者間のデータ連携や広域での統合管理もスムーズに行える基盤を確立したことで、現場業務の効率化とデータ活用の可能性を拡げられるとのこと。

