電通は6月30日、電通デジタルと共同開発した購買証明ソリューション「SCAN DA CAN(スキャンダカン)」を刷新したと発表した。AI・テクノロジー関連企業4社と連携し、新たなプランや機能を追加、クライアントの多様な課題に対応し、今までにない顧客体験の実現を目指すという。
「SCAN DA CAN」の概要
「SCAN DA CAN」は、スマートフォンで缶などの容器や商品パッケージを撮影するだけで販促キャンペーンに応募できるソリューション。
従来必要だったシールやレシートの添付・アップロードの手間が不要となる。AI判定モデルを実装し、容器1本1本を個別に認識するユニーク判定や、商品ブランドの判定をリアルタイムで行うことが可能。2023年の提供開始以来、国内外で18件のキャンペーンに採用されている。
今回の刷新では、AI精度の向上に加え、それだけでは応えきれない顧客ニーズに対応するため、AI・テクノロジー関連企業4社(ユニークビジョン、ライフログテクノロジー、セガ エックスディー、SUSHI TOP MARKETING)とサービス連携し、キャンペーンの多様化や顧客体験の向上を図る4つの進化を実現した。
顧客体験の向上を図る4つの進化
1つ目は、ユニークビジョンが提供する「Belugaキャンペーン」のテンプレートを活用した新プラン「SCAN DA Light」の提供開始だ。キービジュアルやテキストなどをブランドに合わせてアレンジでき、従来よりスピーディかつ安価にキャンペーンを展開できるとしている。
2つ目は、ライフログテクノロジーが提供する健康管理アプリ「カロミル」との連携。スキャン時に背景の食事をAIが解析して食べ合わせを判別し、商品の消費実態をより詳細に分析できるようになった。このデータを、小売店の棚づくり施策や新たなキャンペーン展開に活用する。
3つ目は、セガ エックスディーが提供するCRM向けゲーミフィケーションサービス「GameBox」をオプションで利用可能にしたこと。質の高いオリジナルゲームを販促施策に組み込むことで、生活者のエンゲージメントやロイヤリティ向上を図る。
4つ目は、SUSHI TOP MARKETINGサービスと連携した、キャンペーン応募者にデジタルスタンプ(NFT)を付与するロイヤリティプログラムの展開だ。同社が得意とするファン行動起点のマーケティング設計や分析基盤を生かし、ファンの行動履歴をブロックチェーン上に蓄積・可視化することで、継続的な関係性を構築し、中長期的なロイヤリティの醸成につなげるという。
さらに、ファンの行動履歴をブロックチェーン上に蓄積・可視化することで、一人ひとりとの軌跡を可視化し、より深い関係性と長期的なロイヤリティを高めていく構えだ。
電通は今後も連携可能なパートナー企業を広く募集し、顧客体験(CX)領域で新たな価値を創出し、生活者の体験価値向上とクライアントの事業成長に貢献していくとしている