オープンソースAIのイノベーションに取り組むグローバルな非営利コンソーシアムであるAI Allianceは6月26日、産業用AI向けにオープンソースのAIを活用した新しいプログラミング言語「Dana」と、エージェントフレームワーク「OpenDXA」を発表した。また、AI Allianceは、日本のAI主権とインダストリアルAIを支援するための取り組みを開始するとともに、新たに日本から三菱電機、国立情報学研究所(NII)、さくらインターネットの3組織を新規メンバーとして迎え入れた。

DanaとOpenDXAの概要

AIを活用したプログラミング言語であるDanaを使用すると、利用者はプログラムに何を構築したいかを記述するだけで言語が実装を処理する「意図駆動型開発(intent-driven development)」が可能になるという。

新しいオープンソースのエージェントフレームワークであるOpenDXAは、高度に専門化されたドメインデータ、プロセス、ワークフローを処理し、エンジニアや対象分野の専門家と密接に連携する必要がある複雑な産業用AIエージェントシステム向けに構築された初のフレームワーク。

DanaとOpenDXAは、Aitomaticの主導によるAI Allianceメンバー内のオープンな協業で作成され、ブラックボックスなシステムを作成する他の一般的なフレームワークとは異なり、これらのプロジェクトはドメインエキスパートのメタエージェントを備えたフォールトトレラントでありながら決定論的なシステムを通じて、説明可能なAIと自動プロンプト最適化を実現するという。

AI Alliance Japanを設立

一方、AI Alliance Japanは、日本におけるオープンな研究とオープンソースAIの推進に焦点を当てた新しい地域ワーキンググループであり、AI Allianceメンバーからの技術支援とアドボカシー支援を世界規模で活用することができる。

同ワーキンググループの初期メンバーにはAitomatic、IBM、JSR、NEC、パナソニック ホールディングス、Red Hat、三菱電機、国立情報学研究所(NII)、さくらインターネット株式会社が含まる。

AI Alliance Japanは、特にAIエージェント、データ、モデル、評価に焦点を当て、日本特有の文化的・経済的背景に対応したソブリンAIを実現するオープンな開発を推進する。

また、製造、半導体、海運、輸送など、信頼性が高く、正確で領域に特化したAIシステムが成功に不可欠な分野おける産業応用に向けたオープンソースAIの研究開発を共同で進めていく。AI Alliance Japanが支援する最初のプロジェクトの1つは、NIIが主導するオープンソースのソブリンLLM(大規模言語モデル)プロジェクト「LLM-jp」となる。