TIが米国への投資額を600億ドル超に引き上げ
Texas Instruments(TI)は6月18日(米国時間)、米国での半導体製造の強化に向けて600億ドルを超す投資を行う計画を発表した。
計画では、テキサス州とユタ州に構える3つの製造拠点(テキサス州シャーマン、テキサス州リチャードソン、ユタ州リーハイ)に7つの半導体工場を建設するとしており、これにより6万人以上の雇用を米国で創出することになるという。ただし、この投資額には、すでに同社がテキサス州シャーマンで建設を進めているSM1とSM2、ならびにSM3とSM4という合計4つの工場への最大400億ドルの投資が含まれている点に注意する必要がある。
シャーマンの新工場は2025年中の生産開始を予定
このうち、SM1は2025年からの生産開始を予定。2番目の新工場となるSM2は外壁工事を完了した段階にあるという。また、将来の需要に対応することを目的としているSM3およびSM4については、現在、投資計画を進めている段階にあるとする。
また、同州リチャードソンの2番目の工場である「RFAB2」は2022年より稼働を開始、現在、フル生産に向けた取り組みを進めているという。
そして、ユタ州リーハイの300mmファブ「LFAB」(元はMicron Technologyのファブ)も2022年末よりアナログ半導体の生産を開始。2023年11月にはLFABと接続する形で新工場「LFAB2」の起工式を実施、こちらも順調に建設が進められているという。
なお、いずれも建設されるのは、アナログならびに組み込み向けプロセッサ/マイコンを中心に据えた300mmウェハファブであり、Apple、Ford、Medtronic、NVIDIA、SpaceXといった米国の大手企業のTIとの提携強化に加えて、米国政府との協力関係の強化を進めていくことで、米国でのイノベーションの未来を切り開いていくとする。