ispaceは、民間月探査計画「HAKUTO-R」ミッション2において、月着陸船「RESILIENCE」(レジリエンス)の着陸予定時間を当初予定より7分早い、日本時間6月6日午前4時17分に変更。同日午前3時10分からは、同社公式YouTubeで着陸の様子をリアルタイムでライブ配信する予定だ。

  • ispaceの月着陸船「レジリエンス」ランダーのモックアップ

レジリエンスランダーの着陸予定地点は、地球から見える表側、月の北極付近にある「氷の海」の中央付近(北緯60.5度、西経4.6度)。成功すれば日本初、アジア初の民間月面着陸を成し遂げることとなる。なお同社は、上記の着陸ポイントを選んだ理由について「月面探査の科学的な側面と運用上の利点を兼ね備えた場所」と表現している。

同社のエンジニアは5月28日、東京・日本橋にあるミッション・コントロール・センター(管制室)から、運用計画にそって軌道制御マヌーバを開始。今回のミッションの中で最も長い、約10分間にわたる主推進系の燃焼を予定通り実施し、円軌道への投入を完了した。その後、同軌道上での追加の軌道修正の必要がないことを確認し、着陸予定時刻の更新を決定したかたちだ。

  • マイルストーンSuccess 8まで完了

レジリエンスは日本時間1月15日の打ち上げ後、地球周回フェーズを経て同2月15日に、月表面から高度約8,400kmの地点を通過し、民間企業による商業用ランダーとして史上初の「月フライバイ」に成功。深宇宙の旅に出たレジリエンスは、低エネルギー遷移軌道上を約2カ月間かけ、地球から最も離れた約110万kmという距離にまで到達した後で、月周回軌道投入を完了させている。

ispace 袴田武史CEO & Founderのコメント

2023年4月26日。民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」 ミッション1において、ispaceは月面着陸に挑みました。多くの成果を得ることが出来ましたが、月面まであと一歩というところで、ランダーは通信を絶ちました。

あれから2年。私たちはその経験を糧に、今日まで歩みを止めることなく進んでまいりました。ミッション1で学んだことを十分に活かして、ミッション2ではSucess8まで非常にスムーズかつ効率的な開発・運用を実現できています。

2025年6月6日、Mission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”(以下ミッション2)において、ispaceは再び月面着陸に挑みます。

共に歩み続けてくれるすべての従業員とそのご家族の皆さま、ビジョンに共感し、信じ続けてくれる株主・ペイロードカスタマー・HAKUTO-Rパートナー・政府関係者の皆さま、そしてispaceを応援してくださるすべての皆さまと、いよいよ再挑戦のその瞬間を迎えられることを誇りに思います。

私たちが掲げる目標は、将来、月と地球が経済的にも、そして社会的にも結びつく「シスルナ経済圏」の構築です。月面着陸の成功は、あくまでその通過点と考えています。ミッション2で挑戦する月面着陸、そして月面探査は、その実現に向けた重要な一歩となります。

この取り組みが、地球に住む人類の生活を持続可能なものとすることを強く信じています。

歴史的な瞬間に、皆さまのご声援を、月に向けて届けていただけますと幸いです。