日本精工は、ちとせグループと共同開発した堆肥製造プラント「ちとせバイオマス変換プラント」が、盛岡市動物公園ZOOMO(岩手・盛岡市)に21台導入されたことを5月29日に発表。同月1日から稼働しており、22日には堆肥化された有機肥料が園内の牧草地(非公開)に初めて散布されたという。
園内で飼育されている動物の糞尿や残餌を、今回設置したプラントで有機肥料へ変換。草食動物の餌である牧草の肥料として使い、刈り取られた牧草はおやつとして草食動物に与えられることで、園内で資源が循環するという流れだ。
日本精工とちとせが取り組んできたバイオマス循環事業拡大の一環として、盛岡ZOOMOにプラントを導入。全数のうち5台を、ライオン舎の近くなどの公開エリアに設置しており、来場者は実際に堆肥化されている様子を確認できるとのこと。
特徴的な樽型デザインを採用しており、リアルタイムでタンク内の原料の状態を測定し、バイオマスの変換状態を可視化するモニタも備えている。堆肥を作るための攪拌(かくはん)の動きや、堆肥化の進行度合いを来園者に見てもらうためのモニタリングシステムなどに、NSKの技術を活用した。
軸受(ベアリング)や自動車部品、精機製品などで知られるNSKは、バイオエコノミー分野における知見と事業経験を保有するちとせグループとともに、自社のトライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑の科学と技術)とモノづくりの技術を活かし、ビジネス領域の拡大と循環型社会の実現に寄与するとしている。