ispaceは、民間月探査計画「HAKUTO-R」ミッション2において、月着陸船「RESILIENCE」(レジリエンス)の月周回軌道投入を日本時間5月7日午前5時41分に完了したと発表。これにより、同ミッションのマイルストーン Success 7をクリア、月面着陸に向けたカウントダウンが始まった。

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ispaceのエンジニアが、東京・日本橋にあるミッション・コントロール・センター(管制室)から同時刻に、運用計画に沿って最初の月周回軌道投入(LOI:Lunar Orbit Insertion)マヌーバを開始。9分間の主推進系の燃料を完了した。これにより、同社はミッション1に続き、ランダーに載せたペイロードを月周回軌道に輸送する技術能力と運用能力を実証したとしている。

同社によれば、今回のLOIマヌーバは、ミッション2でこれまで実施してきた全9回のマヌーバの中で最も長時間の燃焼が必要となる、非常にクリティカルな運用だったという。管制室の様子について、同社は「予定通り月の重力圏への軌道投入が確認できると、入念に準備を進めてマヌーバを実行したエンジニア達の緊張が解け、安堵の表情があふれた」とコメントしている。

レジリエンスランダーは日本時間1月15日の打ち上げ後、地球周回フェーズを経て同2月15日に、月表面から高度約8,400kmの地点を通過し、民間企業による商業用ランダーとして史上初の「月フライバイ」に成功。その後、低エネルギー遷移軌道上を約2カ月間かけ、地球から最も離れた約110万kmという距離にまで到達した。

深宇宙の旅から帰ってきたレジリエンスは今後、月周回軌道上で計画しているすべての軌道制御マヌーバの完了を5月28日頃に予定。最短で日本時間6月6日午前4時24分に月への着陸をねらう。

  • ispace「HAKUTO-R」ミッション2のマイルストーンSuccess 7が完了