売り上げ増ながら赤字幅が拡大
Intelが4月24日(米国時間)の2025年第1四半期の決算を発表した。
それによると売上高は前年同期比横ばいの127億ドルとなったが、純損失は前年同期の約4億ドルの損失から約8億ドルの損失へと赤字幅が拡大。これで5四半期連続の赤字計上となった。
同社のデービッド・ジンスナー最高財務責任者(CFO)は、第1四半期は米国の関税政策発動前の駆け込み需要があったとしており、第2四半期については112億~124億ドルの見通しと、関税をめぐる不確実性が逆風になるとの見方を示すほか、2025年の設備投資額についても従来の200億ドルから180億ドルへと下方修正したとする。
事業部門別に業績について同社は同四半期にNetwork and Edge Group(NEX)をClient Computing Group(CCG)とData Center and AI(DCAI)に統合する組織変更を実施した形で報告。CCGについては、売上高は前年同期比8%減の76億ドル、一方のDCAIの売上高は同8%増の41億ドル。また、Intel Foundryは同7%増の47億ドルと伸ばしているが、純損失は前年同期、前四半期とほぼ横ばいの23億ドルの赤字を計上している。
さらなるリストラなどの組織改革に着手
同社Lip-Bu Tan CEOは、この決算発表に合わせる形で効率的に業務遂行を推進するための新たな施策の実施を通達するため書簡を送ったことを明らかにしている。
そこには、エンジニアリング能力の強化を図りつつも、コスト構造の改革に向けた営業費用の削減と設備投資目標の引き下げの実施、組織の複雑さの排除ならびに優秀な人材への意思決定権限の委譲などが書かれていたという。
また、人員削減を第2四半期より開始することも計画。規模は公にはしていないものの、2024年に実施した15%以上の社員を対象としたレイオフに加えて、今回さらに20%ほどが対象になると一部の米国メディアでは伝えている。
さらに、不要な会議や研修、文書作成といった時間のかかる社内管理業務の削減にも着手するとしているほか、現状の週3日ほどをオフィスに勤務するハイブリッド勤務を9月1日までに週4日のオフィス勤務を義務付けるように改定することも予定しているとする。
同氏は、「勝利を目指して可能な限り最高の位置に立つためにチームとして団結する必要がある。そのためには、最高の製品の開発に全力を注ぐ必要がある。成否を分ける瞬間にチームが対応できる方法は2つある。それは、埋めるべきギャップを見て諦めるか、自分の内面を見つめてこれまでにないほど戦うかである。Intelはかつて、世界で最も革新的な企業として広く認められていた。改善のために必要な変化を推進し続ける限り、再びその地位に戻れない理由はない。私たちはそれを成し遂げる力を持っていると確信している」と従業員への呼びかけを行っており、かつての輝きを取り戻すために、これからいくつもの苦渋の決断を下さざるを得ないことに対する従業員の理解と協力を求めている。
なお、同社の量産プロセスとして最新世代となる「Intel 18A」 は、2025年第4四半期の自社製品「Panther Lake(開発コード名)」の量産に向けて歩留まりを高めている最中で、2026年前半には追加のSKUも発売する予定だという。