
ユーモアある企画・マーケティングでファンを増やす!
昨今の物価高による節約志向などで、高価格帯の商品であるクラフトビールは絶好調とは言えませんが、その中でも主力製品の『よなよなエール』『インドの青鬼』の売上はずっと伸び続けています。そこには、生活が苦しくても、自分の好きなものにはお金を払うという人々の消費行動が表れています。
昨年は需要の高まりを受け、大手スーパー、全国のコンビニでも、クラフトビールに力を入れていこうという動きが強くなってきました。
それから、昨年2月に厚生労働省から適正飲酒を呼び掛ける「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」が出たことをきっかけに、当社では『ゆっくりビアグラス』というグラスを発売しました。中にビールを注いで飲もうとすると、飲みたくてもなかなかビールが出てこないので、みんな面白がって場が盛り上がるということで話題になりました(笑)。
職人さんが手作りでつくっている特殊なグラスで1万2980円と高価のため、最初はそんなに売れないだろうと思っていたら、実際には約9時間で60個が完売。現在1400人以上に再入荷をお待ちいただいています。
お客様には末永く健康で当社のビールを楽しんでもらいたいので、こういったユーモアある商品を交えながら適正飲酒のことをもっと知ってもらえたらと思っています。
低迷するビール市場を 業界全体で盛り上げたい
短期的な売上アップを狙う取り組みというより、当社はお客様と楽しみながらビールを飲むという体験型プロモーションを好んで、これまで多数のイベント・企画を打ってきました。
昨年、アサヒビール、サッポロビール、クラフトビール会社2社と合同で、〝微アルイベント〟を開催しました。飲みたい気持ちがあっても体質的に飲めないというお客様とも、いろいろな味の微アルコールビールを楽しみ、とても楽しい時間を過ごすことができました。
当社は大手ビール会社で最もクラフトビールに注力しているキリンビールさんと資本提携を行っていますが、それ以外の企業さんとも組みながら、これからも共存共栄の精神でやっていきたいと思っています。
2023年に北海道日本ハムファイターズの球場『エスコンフィールドHOKKAIDO』で、世界初のフィールドが一望できるクラフトビール醸造レストラン『そらとしば by よなよなエール』をオープンしました。
来年夏には大阪府泉佐野市にビールのテーマパークと言えるような『よなよなビアライズ』というブルワリーが完成します。こういった楽しい体験とともにクラフトビールが飲める新しい拠点をつくっていき、みなさまに楽しんでもらえるような企画を考え中です。
お店を視察する中で、クラフトビールの飲食店は普通のビアパブと比べて圧倒的に若い人が多いということを実感します。
人々がリアルの場を求めて、工業製品としてビールを飲むのではなくて、美味しい料理や人との楽しい時間を楽しむ、メーカーのこだわりを聞いて一緒に盛り上がる、というお客様の支持は相変わらずあります。そういったお客様に対し、これからも良い商品、楽しい企画をつくっていきたいと思っています。