DICは、暗所で生花を発光させるシステム「RADilys」(ラディリス)を開発発表。“花は2度咲く“をサービスコンセプトとして、明るい空間では生花本来の自然な色彩を楽しめ、暗い空間ではブラックライトの照射によって生花を鮮やかに発光させることを実現した。2026年からの販売開始に向けた取り組みを進めていく。
今回の開発品は、DIC独自配合の特殊染色液を吸わせることで生花を染色し、高純度ブラックライトを照射可能な花器に生けることで、暗所での鑑賞を可能としたもの。複数の染色液の組み合わせによって、色とりどりに発光させることを実現した。既に基礎技術検証を完了し、特許出願中だ。
暗い空間での創造的表現を拡張することで、ナイトタイムエコノミー(夜間経済)を活性化させるコンテンツや、ブライダル向け装花、商品ディスプレイ、演劇の舞台演出、フォトアート、空間演出といった、幅広い分野に新しい価値を提供するという。
DICは印刷インキや顔料、合成樹脂などをグローバルに展開するファインケミカルメーカー。「Direct to Society」をコンセプトに、従来の化学メーカーの枠を超え、社会に新たな価値を提案し、業種や業界の垣根を超えたエコシステム(経済圏)で多様な事業を創出する取り組みを展開している。
その取り組みの一環として、生花に着目。「生花は人々の生活に寄り添い、特別な瞬間を華やかにするものであり、DICが提供をめざす『Color=彩り』の象徴的な存在」と位置づける。そのうえで、本来は発光しない生花が暗い空間で発光する、という新しい機能性と情緒的価値を提供し、生花の創造的表現を拡張することで、社会に新しい彩りを提案していく。