HORIBAグループで韓国の半導体事業を担う堀場エステック・コリアは、半導体市場向けウェハ検査装置の開発・製造・販売を行う韓国企業のEtaMax(エタマックス)を買収する株式譲渡を4月3日に完了したことを発表した。
カーボンニュートラル実現に向けた電動化への移行や、AIの世界的普及によるデータセンタの需要拡大などの流れを受け、次世代パワー半導体と呼ばれる化合物半導体を採用する動きが活発化している。化合物半導体は、高い性能と耐久性を発揮する一方で、製造プロセスにおけるウェハ欠陥による歩留まり低下が課題視され、正確かつ効率的な検査を行うことが強く求められている。
中長期計画の中で注力分野のひとつに“先端材料・半導体”を挙げるHORIBAグループは、2028年に同分野全体で売上高を2350億円まで成長させることを目指しているとのこと。その実現に向けて、半導体製造プロセスの改善に貢献する包括的な分析ソリューションを提供するためには、化合物半導体ウェハ検査装置の研究開発を強化する必要があったとする。
そこで今回HORIBAグループは、特定の波長の光を吸収したサンプルがその後に放出する蛍光を測定することで欠陥や不純物などの情報を得る“フォトルミネッセンス”という分析技術を用いたウェハ検査装置を主に展開する、韓国のEtaMaxを買収することを決定。化合物半導体ウェハの均一性評価や微細欠陥の種類判別など、さまざまなアプリケーションに強みを持つ同社の買収により、グローバルなネットワークを活かした事業拡大に取り組むとした。