ニューヨーク大学(NYU)とソニー パーソナルエンタテインメント事業の米国事業は、ソニーのプロ/個人向けオーディオ事業の知見を活かした新たな学際的協働の拠点「Sony Audio Institute」を、同大学スタインハート校に2025年春設立すると発表した。
同拠点の正式名称は、「Sony Audio Institute for Music Business and Technology」。1890年に創設され、ニューヨーク市グリニッジビレッジの中心に拠点を置くNYUスタインハート校のSchool of Culture, Education, and Human Development内に設立する。
この取り組みはテクノロジーと音楽、ビジネスの融合領域でイノベーションを促進し、次世代のクリエイターを育成することを目的としており、10年間の契約を結んでいる。初代所長には、音楽ビジネスの造詣が深く、NYUスタインハート校のClinical ProfessorおよびDirectorも務めているラリー・S・ミラー氏が就任する。
Sony Audio Instituteでは、最先端技術による授業体験の質的向上、先進的な研究機会の創出、そしてイベントやワークショップを通じ、NYUとソニーがニューヨーク市のエンタテインメント・コミュニティとの関係強化を推進。ソニーの先端技術を、NYUの立体音響を学習するための設備の一環として導入する。
具体的には、NYUブルックリンキャンパスに設置した「Sony Audio Institute Studio」において、ソニーが開発した立体音楽体験「360 Reality Audio」(サンロクマル・リアリティオーディオ)や、サウンド制作用リファレンススタジオの音場環境をヘッドホンで高精度に再現する立体音響技術「360 Virtual Mixing Environment」(サンロクマル・バーチャル・ミキシング・エンバイロンメント)といったオーディオソリューションを活用可能。
また、この取り組みの一環として、NYUの音楽・音響研究所(Music and Audio Research Lab)では、ソニーのエンジニアと共同で革新的な音楽・音響技術研究を進めていく。オーディオ業界でのキャリアに関心を持つ学生向けの奨学金プログラムも創設する。
NYU リンダ・G・ミルズ学長のコメント
この重要なプロジェクトにおいて、NYUスタインハート校との協働をソニーが選んでくださったことに、喜びと感謝の意を表します。この先進的な施策は、奨学金制度やインターンシップ、研究フェローシップに加え、他では得られない体験を通じ、才能ある学生たちに新たな飛躍の機会を創出します。この先見性のある取り組みは、創造的表現の新たな可能性を開くだけでなく、急速に変化する業界において学生たちに競争優位性をもたらすと確信しています。
ソニー 槙公雄社長 兼 CEOのコメント
世界有数の音楽教育機関であり、長年にわたりオーディオ業界の卓越した人材を輩出してきたニューヨーク大学とパートナーシップを構築できることを、大変光栄に思います。この共創を通じて、次世代音楽クリエイターの創造性を育み、彼らの芸術表現が音楽業界の未来を形作っていく姿を見守ることを心から楽しみにしています。