SambaNova Systemsは3月5日(米国時間)、同社のAI推論サービス「SambaNova Cloud」の日本における導入の拡大とソフトバンクとの協業を発表した。

ソフトバンクとの協業により、SambaNova Cloudのラックが日本国内のソフトバンクのAIデータセンターに設置されることとなり、アジア・太平洋(APAC)地域の開発者などに高速な推論サービスを提供することができるようになるという。

これにより、例えば東京科学大学によって開発された日本最高水準のオープンソースモデル「Swallow」に即時アクセスできるようになるほか、MetaのLlamaやAlibabaのQwenもSambaNova Cloudを通じて高速な利用が可能となる。

この取り組みを通じて、SambaNova CloudのAPAC地域における需要と展開が拡大するとSambaNovaでは説明しているほか、2025年第2四半期には、アジア各国の言語向けに最適化されたオープンソースモデルのさらなる追加も予定されているとのことで、SambaNova Cloud上でAPAC地域の開発者に向けて提供される予定ともしている。

  • AIデータセンターに設置されたSambaNova Cloudラックの一部

    ソフトバンクのAIデータセンターに設置されたSambaNova Cloudラックの一部 (提供:SambaNova)

なお、ソフトバンクの執行役員でテクノロジーユニット統括データ基盤戦略本部長である丹波廣寅氏は今回の取り組みについて、「超高速AI推論サービスを特徴とするSambaNova CloudをホストするデータセンターとしてソフトバンクのAIデータセンターを提供することは、ソフトバンクの生成AI開発力強化の取り組みの一環であり、今後も共同で生成AIへの取り組みを強化していきたいと考えている」とコメントしている。また、SambaNovaの共同創業者兼CEOであるロドリゴ・リアン氏も「今回の協業は、ソフトバンクとの現在の協業関係を拡大し、高速な推論を行うことができるSambaNovaの性能上の優位性を示すもの」とするほか、「これまでにない低レイテンシのAI推論サービスへのアクセスを、APAC地域の開発者に提供することで、開発者はエージェントAIの時代に向けたソリューションを構築できるようになる」と、今回の取り組みが、これからのAI時代とされるエージェントAIへの対応を容易にするものと説明している。