出光興産と三菱電機は、バイオマスプラスチックの家電製品への使用に向けた連携を開始することに合意したと2月21日に発表。出光興産がバイオマス化学品を製造し、それらを原料としたバイオマスプラスチックを三菱電機の空調機器や冷蔵庫といった家電製品に使うことをめざす。
家電市場における、バイオマス製品の普及をめざす取り組み。バイオマス化学品を原料としたバイオマスプラスチックは、植物や廃食油等から製造されるため、石油由来プラスチックと比べてライフサイクル全体を通じてCO2排出量を抑制できるほか、石油由来プラスチックと同等品質でマテリアルリサイクル(使用済みの製品や廃棄物から回収した原材料を選別・加工して再利用する手法)を阻害せずに家電製品に使えると考えられている。
出光興産は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた施策のひとつとして、2022年度よりバイオマス化学品の製造・販売に取り組んでいる。また三菱電機は、資源循環型社会の実現のためリサイクルプラスチックの使用拡大を進めている。
さらなる資源循環型社会の実現には、リサイクル以外にも石油由来プラスチックの代替素材や、CO2排出量の削減につながる技術・製品の開発が欠かせない。この課題を解決するために、両社はバイオマス化学品を原料とするバイオマスプラスチックの家電製品への使用に向けて連携。プラスチックのカーボンニュートラル化と循環型社会の実現に寄与していくという。
なお出光興産によるバイオマス化学品の製造においては、マスバランス方式を採用。原材料から製品への加工・流通工程において、ある特性を持った原料(例:バイオマス由来原料)が、そうでない原料(例:石油由来原料)と混合される場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対してその特性の割り当てを行う手法をさす。複数の生産工程を経て製品化に至る化学産業では、サプライチェーンのバイオマス化を推進させる手段として、マスバランス方式が有効とされているとのこと。