ニチコンは、蓄電池と太陽光発電、電気自動車(EV/PHV)の3つを連携させて電気代を抑えられるという“トライブリッド蓄電システム”の最上位「ESS-T5/T6シリーズ」第3世代モデルを2025年秋に発売する。

  • ニチコン「ESS-T5/T6シリーズ」第3世代モデル(右)。電気自動車(左)と連携し、クルマ側の電池を蓄電池として使うV2Hにも対応する(製品発表会のオフィシャル写真より)

家庭用蓄電システムのフラッグシップモデルで、自宅の太陽光発電をEV電池と蓄電池で最大活用し、電気代の最小化を図れるというシステム。業界最大級という9.9kWのパワフル出力に対応し、EVへの充電のしやすさを高めたことなどを特長としており、EV電池を家庭用電源に活用するV2H(Vehicle to Home)にも対応する。

ラインナップと価格(税別)は以下の通り。なお同シリーズは、東京ビッグサイトで開催される「SMART GRID EXPO 春 第17回 国際スマートグリッド展」(会期:2月19~21日)に出展する。

ラインナップ・価格(税別)

  • トライブリッドパワコン「ES-T5」(連系出力5.9kW):150万円
  • トライブリッドパワコン「ES-T6」(連系出力9.9kW):180万円
  • 蓄電池ユニット「ES-BSM」(屋内/容量7.4kWh):190万円
  • 増設蓄電池ユニット「ES-BSX」(屋内/ES-BSM込みの容量14.9kWh):190万円
  • 蓄電池ユニット「ES-CSM」(屋外/容量7.4kWh):200万円
  • 増設蓄電池ユニット「ES-CSX」(屋外/ES-CSM込みの容量14.9kWh):200万円
  • V2Hスタンド&V2Hポッド「ES-PL1」(拡張充電時:最大9.9kW):190万円
  • 「ESS-T5/T6シリーズ」第3世代モデル。左からトライブリッドパワコン、V2Hポッド、V2Hスタンド、蓄電池ユニット

新築戸建て住宅への太陽光発電義務化や、電気代の高騰、売電価格の低下などを背景に、蓄電池を導入して自家消費するニーズが高まっていることを受けて、新製品を市場投入。全負荷200V対応で、停電時にもエアコンやIH調理器を含めた家全体の電気をバックアップし、在宅避難などに利用するといった使い方も想定している。

  • ニチコンのトライブリッド蓄電システムの概要

同社ではESS-T5/T6シリーズを導入することで、電気代やエネルギーコストを節約したり、災害時の備えにしたりできることを訴求。

具体的には、昼間は太陽光で発電した電気を蓄電池とEV電池に充電しておき、夜や天気が悪い日などは蓄電池とEV電池にためた電力を家で使用。太陽光発電による余剰電力は蓄電池とEV電池に同時充電でき、9.9kW出力で家で使える。これにより、電力会社から買電せずに電気代を節約できるとする。

また、昼間にEVが家にあるときは太陽光発電でEVを充電でき、通勤や買い物などで昼間にEVが家にないときも太陽光発電をいったん蓄電池にためておいて、EVが家に戻ったら蓄電池からEV電池に「エレムーブ(電力移動)」可能。太陽光発電と蓄電池、系統電力を使って最大9.9kWのハイスピードでEVを急速充電でき、家庭のエネルギーコストの削減にもつなげられるとする(系統電力を使わない設定も可能)。

停電時など、災害の備えとしても利用可能。家まるごとバックアップする全負荷・200V対応で、エアコンやIHなど200V機器も使用でき、「停電時もいつものくらしが実現できる」、「在宅避難も選択肢に入れられる」とアピールしている。

  • 製品発表会のオフィシャル写真より。右はニチコンの森克彦社長