ソニーグループは2月13日、2024年度第3四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比18%(6,620億円)増の4兆4,096億円。営業利益は同1%(60億円)増で、第3四半期の実績として過去最高の4,693億円だった。税引前利益は、同8%(355億円)増の4,941億円。純利益は同3%(98億円)増の3,737億円。
2024年度の通期連結業績見通しについては、前回(2024年11月時点)から売上高を4,900億円(4%)増の13兆2,000億円、営業利益は250億円(2%)増の1兆3,350億円、純利益は1,000億円(10%)増の1兆800億円へと、それぞれ上方修正している。
このうち、産業・車載向けやモバイル用のイメージセンサーをはじめ、半導体部門を担うイメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野を見ると、2024年度第3四半期の売上高と営業利益には為替の好影響があったものの、主にモバイル向けイメージセンサーの減収が相殺したかたちで、売上高は前年同期(5,052億円)からほぼ横ばいの5,009億円。営業利益も、製造経費の増加や減収の影響などを受け、前年同期比2%減の975億円となった。同分野の通期見通しについては、売上高は前回(2024年11月時点)から1%微増(200億円)の1兆7,900億円とした。営業利益は2,500億円で変更はない。
ソニーグループの現状認識として、スマートフォン市場はグローバルでゆるやかな回復基調が継続しており、「モバイルセンサーの売上もおおむね想定通り」。前年度はモバイルセンサー新製品の生産歩留まりの影響で売上が第2四半期から第3四半期にシフトしたことなどを受け、当四半期は前年同期で減収となったが、第3四半期までの9カ月累計では前年同期比で15%増収と大きく伸長。当四半期における当該製品の生産歩留まりは、期初計画および11月時点の見通しを上回って改善しており、ほぼ正常な水準に達したとのこと。
モバイルセンサー売上の2021〜2024年度までの年平均成長率は円ベースで23%、ドルベースでは11%と、主にセンサーの大判化・高付加価値化による単価上昇により、順調に成長する見通し。2025年度においてもドルベースで同水準の売上成長が期待できるという。
車載向けセンサーについては、欧米を中心にEV市場の成長鈍化の影響が見られる一方で、これまでの顧客基盤の拡大と製品の高性能化が奏功し、中国EVメーカーの旺盛な需要やセンサーの高画素化によって事業が拡大。分野全体の売上に占める割合はまだ小さいとしつつ、今後も高い成長を期待するとした。
なお今回の会見では、米国の関税政策への対応についても説明。ソニーグループでハードウェアを扱う各分野においては、さまざまな地政学リスクに対応すべく、過去数年間にわたってサプライチェーンの複線化やフレキシビリティ向上に取り組んできたとし、足元では米国内に一定水準の戦略在庫を積み上げるなどの備えも進めており、現時点で実行・検討が発表されている米国追加輸入関税による2024年度業績への影響は軽微とみているとのこと。