GMOインターネットグループは2月12日、2024年12月期 通期決算に関する決算説明会を開催した。説明会にはグループ代表の熊谷正寿氏とグループ副社長 兼 CFOの安田昌史が登壇した。

売上高・営業利益ともに最高業績

2024年度 連結業績は、売上高が前年同期比7.3%増の2774億円、営業利益は前年同期比9.8%増の466億円となり、いずれも最高業績を達成した。

  • 2024年度 連結業績

    2024年度 連結業績

セグメント別に見てみると、特にインフラ事業が好調で、売上高は前年同期比7.8%増の1849億円、営業利益は前年同期比25.2%増の359億円となっている。

好調の要因について、熊谷氏は「決済・決済以外ともに好調に推移している。祖業に加え、グループジョイン後に急成長した非上場グループ会社群が貢献した」と説明した。

  • 業績結果について話す熊谷氏

    業績結果について話す熊谷氏

ネットインフラの会社別の決済以外の増益額ランキングを見てみると、祖業であるGMOインターネットが12.1億円の増益で1位になっているものの、熊谷氏の説明の通り、2019年にグループジョインしたGMOタウンWifiが5.8億円の増益、2022年にグループジョインしたGMOサイバーセキュリティ byイエラエが3.0億円の増益など、グループジョイン後に急成長した非上場グループ会社群が貢献していることが分かる。

  • ネットインフラ|決済以外の増益額ランキング(会社別)

    ネットインフラ|決済以外の増益額ランキング(会社別)

金融事業に関しては、FXでは取引・収益ともに高水準を維持し、CFDにおいても取引・収益ともに堅調だった。しかし、タイ証券の廃業決定に伴い、売上は前年同期比7.5%減の437億円、営業利益は68.5%減の43億円に着地する結果となった。

タイ証券の廃業について、熊谷氏は「タイ証券は廃業を決定したものの、業績影響の極小化に向けた処理は完了している。リスクの極小化には成功している」と説明した。

  • 2024年度 セグメント別業績

    2024年度 セグメント別業績

100年単位で続くグループに向け、 持株会社体制への移行

また熊谷氏は「100年単位で継続する企業グループ」を目標に掲げ、持続的成長の実現に向けた進化し続けるグループ構造の構築として、2025年1月に「持株会社体制への移行」を完了させたことを説明した。

これは「自立経営の促進」と「グループシナジーの極大化」を行うことで、成長スピードを加速させ、持続的成長を実現するためのもの。

これまでは事業持株会社であるGMOインターネットグループのもと、各社は得意とする領域で自立的に事業展開する形を取っていたが、GMOインターネットグループが単体で運営していた事業をGMOアドパートナーズへ承継した後は、持株会社体制のもと戦略的な組織再編による価値創造の加速を図る。

  • グループ構造

    グループ構造

さらに、「生活者の課題解決」に向け事業展開をしているGMOリサーチ&AIとGMOタウンWifiが2025年4月に経営統合し、10月から「GMOプロダクトプラットフォーム(株)」として新たなスタートを切る。

また2月6日には、ネットセキュリティにおける新事業戦略として「ネットもセキュリティもGMO」プロジェクトの始動を発表するなど、グループの成長に向けたさまざまな取り組みを行っている。

2025年度の方向性

最後に熊谷氏は2025年度の目標として、2024年度のグループ成果では主力好調に加え、非上場企業貢献でインフラが成長加速したことを土台に、100年単位で続く企業グループを目指し、長期目線の経営を徹底することを挙げた。

さらに2025年度はグループ進化に向け持株会社体制への移行や統合新会社であるGMOプロダクトプラットフォームの飛躍にも期待しているという。また「ネットのセキュリティもGMO」プロジェクトを皮切りにセキュリティ事業大拡張期へ突入したことを受け、セキュリティ関連の取り組みも強化する。

グループ全体で株主還元を重視。グループ各社は配当性向引き上げ、当社は自己株式取得を拡大していく。