GMOインターネットグループは2月6日、「ネットのセキュリティ」における新事業戦略の発表会を開催した。発表会では、取り組みの第1弾となるセキュリティ診断サービスの詳細が紹介された。

発表会にはGMOインターネットグループ 代表取締役グループ代表の熊谷正寿氏、GMOインターネットグループ CISO 兼 GMO サイバーセキュリティ by イエラエ 代表取締役 CEOの牧田誠氏をはじめ、グループセキュリティ各社の社長やGMOグループで活躍するホワイトハッカーが登壇し、新事業について説明を行った。

  • 発表会の様子

    発表会の様子

「ネットもセキュリティもGMOプロジェクト」始動

同社は、「すべての人に安心な未来を」というキャッチフレーズの下、ネットのセキュリティに関する新たな取り組みである「ネットもセキュリティもGMOプロジェクト」を開始することを発表した。

この取り組みの第1弾として、24時間無料で使える総合ネットセキュリティサービスである「GMOセキュリティ24」の提供を開始する。

  • 「GMOセキュリティ24」のイメージ

    「GMOセキュリティ24」のイメージ

同サービスは、「パスワード漏洩・Webサイトリスク診断」と「セキュリティ相談AIチャットボット」から構成されている。前者は、メールアドレスやURLを入力するだけで「脆弱性」「クラウド利用」「なりすまし」「盗聴」という4つのセキュリティリスクを簡単にチェックするもの。後者は、GMOインターネットグループのAIエンジニアが、グループセキュリティ各社の知見を学習させ、特別に訓練して開発したAIが、24時間年中無休でセキュリティの不安や疑問に回答する。

これらの機能の実現には、GMOインターネットグループ内のセキュリティ企業である「GMOグローバルサイン」「GMOサイバーセキュリティ byイエラエ」「GMO Flatt Security」「GMOブランドセキュリティ」との連携が重要とのこと。

特に「パスワード漏洩・Webサイトリスク診断」において、4つのセキュリティリスクを簡単にチェックできるのは、「盗聴・改ざん・なりすまし防止・ログイン認証強化(SSL・暗号セキュリティ)」「なりすまし監視・削除(ブランドセキュリティ)」「サイバー攻撃対策(サイバーセキュリティ)」を支援できるGMOインターネットグループならではの特徴となっている。

  • 「パスワード漏洩診断」のイメージ

    「パスワード漏洩診断」のイメージ

セキュリティ相談AIチャットボットは、ユーザーが自然言語でセキュリティに関する質問を入力することで、生成AIのチャットボットが回答内容を自動的に生成してユーザーに提示してくれる。

「スマートフォンのセキュリティ対策方法は?」といった一般的な質問から、「Amazon S3に必要なセキュリティ対策方法は?」といった専門的な質問まで、瞬時に詳しい回答を提供できる。

  • セキュリティ相談AIチャットボットの利用イメージ

    セキュリティ相談AIチャットボットの利用イメージ

GMOが一丸となりセキュリティ事業に全力で取り組む

新サービス提供の背景には、近年、サイバー攻撃の手法が高度化・多様化し、インターネットの安全性に対する懸念がますます高まっていることがある。特に、IoT機器を標的とした攻撃やランサムウェアによる被害が顕著であり、個人や企業が直面するリスクが増大しているという。

GMOインターネットグループは、インターネットユーザーを広げる事業(インターネット接続プロバイダー)を1995年に開始し、2003年にSSLの販売、2015年にはWebサイトのなりすまし監視の取り組みを始め、2022年にサイバー攻撃対策まで手を広げた。

グループ代表の熊谷氏は「すべての人の生活を豊かにすることを願い広げてきたインターネットが、このようなサイバー攻撃に使われ、決して安心とは言い切れなくなっている状況に、大変胸を痛め危惧しています」と述べた。さらに、同氏は1995年に始まったインターネット革命が折り返し地点を迎えたいま、「すべての人に安心な未来を」というキャッチコピーを掲げ、GMOインターネットグループの技術を結集しパートナー(従業員)一丸となりセキュリティ事業に全力で取り組むことを宣言した。

  • グループ代表の熊谷氏

    グループ代表の熊谷氏

今後は「ネットのセキュリティもGMOプロジェクト」の取り組みの第2弾として、サイバーセキュリティ月間(2月1日~3月18日)の期間中に「GMOサイバーセキュリティ大会議&表彰式2025~GMO Cybersecurity Award 2025を発表~」を開催することも決定しているという。