京セラコミュニケーションシステム(KCCS)と北海道大学は、雪の上を走れる中速・中型自動配送ロボットを共同開発し、国内初となる準公道での走行試験に成功したと2月5日に発表。2月16日まで試験を継続する。
KCCSは、2021年から北海道・石狩市を中心に無人自動配送ロボットの技術検証を行っており、2022年度からは北大大学院工学研究院の江丸准教授と共同開発に取り組んでいる。今回開発した無人自動配送ロボットは、北大の江丸准教授が研究する積雪・降雪環境におけるAIによるノイズ除去技術と、KCCSが開発した自律走行技術を組み合わせ、積雪・降雪という悪環境でも走行できるようにした。
ロボットの外形寸法は1.3m以下×2.5m以下×2m以下(幅×長さ×高さ)に準じ、最高速度は15km/h。国内メーカーのミニカー規格車両をベースとして新たに車体を自社開発しており、走行環境に合わせた車体のチューニングや、積載部分のカスタマイズが行え、さまざまな事業者のニーズやサービス用途に対応できるという。
走行試験では、北大構内の準公道(他車交通)のうち、工学部棟西側エリア(総距離1.1km)、北大メイン道路+北部エリア(同4km)を走行。なお、走行中は遠隔で監視者がモニタリングし、状況に応じて遠隔操縦も行えるようにしている。
雪道での自律走行試験にあたり、降雪時の雪粒を障害物と誤検知する問題や、積雪や降雪で変化した周辺環境において、LiDARによる自己位置推定が不安定になる問題、カメラへの着雪による視界不良といった技術的課題に対応。
その結果、降雪量約3cm/hの環境下と除雪路において、10~15km/hでの安定走行に成功。側面積雪に対しては、GPSなどで補正することで正確な自己位置推定を行い、カメラにはヒーターフィルムを装着して視野を確保、降雪環境でも安定した遠隔監視と操縦操作が行えることを実証したとのこと。