理化学研究所(理研)は1月22日、スーパーコンピュータ(スパコン)「富岳」の後継機となる日本のフラッグシップシステム「富岳NEXT(開発コード名)」の開発・整備を2025年1月より開始することを発表した。
理研は現在、世界的な潮流でもあるシミュレーションとAIが密に連携して処理を行いつつ、科学上の仮説生成や実証を含むサイエンスを自動化・高度化する「AI for Science」の実現を推進しており、そのためにはその実現に必要となる計算能力を備えた計算基盤を構築する必要がある。富岳NEXTは、そうした次世代の計算ニーズに応えることを目指して開発されるもので、その開発方針としては文部科学省より、「CPUに加えて、GPUなどの加速部を導入」、「電力性能の大幅に向上させた計算環境の提供」、「既存の『富岳』でのシミュレーションに関しては、『富岳』の5~10倍以上の実効性能の達成」、「AIの学習・推論に必要となる性能に関しては、世界最高水準の利用環境(実効性能50EFLOPS以上)を実現」といった性能および機能に関する方針が打ち出されている。
こうした方針を踏まえ理研でも、これまでにもシステム構成や富岳NEXTの設置環境および運用方法、持続的なシステムソフトウェアやアプリケーションの開発体制、TRIP事業などの理研内のプログラムの連携などの検討を進めてきており、そうした結果を踏まえ、開発方針として「技術革新」、「持続性/継続性」、「Made with JAPAN」を掲げ、システム開発を開始することを決めたとしている。