横浜ゴムは1月20日、トラック・バス用タイヤの空気圧状態を、打音とAI(人工知能)を活用して判定する技術を開発し、実証実験を始めたと発表。判定精度向上による安全運行や、省力化によるコスト削減・業務効率化、適切な空気圧管理による燃費向上などにより、物流業界の課題を解決するとしている。
横浜ゴムでは、データとAIを活用した戦略コンサルティング業務を手がけるMETRIKAと協力。さまざまな環境音の中からタイヤの打音を識別し、打音区間(打音がいつからいつまで発生したか)を抽出して、それに基づいて空気圧を予測するAIアルゴリズムを開発した。現在、試作した専用アプリケーションを使った運輸会社での実証実験を開始しているとのこと。
同技術を実用化することで、スマホアプリでタイヤの打音を録音するだけで、空気圧値や充填の必要性の有無をアプリ上で視覚的に把握。専用機器の設置や判定スキルの習得なしで、ドライバーの経験に依らない高精度な空気圧点検を可能にできるとしている。
トラック・バス用タイヤの日常の空気圧点検では、空気圧ゲージによる計測を行っているが、バルブの故障やエア漏れのリスクがあるほか、リアルタイムのモニタリングはコスト面の課題などがあり、従来のハンマーによる打音点検が主流となっている。同社によると、打音のみで適正な空気圧を判断することは熟練ドライバーでも容易ではなく、手軽かつ正確に空気圧の状態を判定できる方法が求められていたとのこと。