有明工業高等専門学校(有明高専)と東京大学(東大)大学院工学系研究科附属システムデザイン研究センター(d.lab)は1月20日、半導体人材育成分野における包括連携に関する協定を締結する予定であることを明らかにした。

半導体産業の成長が急速に進む一方、その先端技術を活用できる、いわゆる半導体人材の需要が高まりを見せており、即戦力となる人材育成が急務となっている。そうした背景を踏まえ有明高専はこれまで、国立高等専門学校機構が推進する次世代基盤技術教育のカリキュラム化(COMPASS5.0)半導体分野プロジェクトにおける実践校として、半導体設計人材育成の推進を行ってきた。

一方のd.labは現在、文部科学省の「次世代X-nics 半導体創生拠点形成事業」における「Agile-X~革新的半導体技術の民主化拠点」として、半導体分野の研究開発を主導しているほか、最先端の研究開発に加え、2024年4月からは東大学部横断型教育プログラム「半導体教育プログラム(SPIRIT)」を開始するなど、半導体製造を担う人材育成にも注力するようにもなっている。

今回の包括連携は、半導体分野における高度な教育研究と人材育成を連携して推進し、日本の半導体産業の活性化と国際競争力の強化に貢献することを目的としたもので、双方の教育資源を活用し、学生が即戦力として活躍できる実践的な知識・技術と、将来の半導体産業を牽引する研究開発能力を兼ね備えた人材を育成を進めるとするほか、将来的な共同研究開発を見据え、その第一歩として研究交流や情報交換を通した連携基盤を構築し、互いの研究開発能力の向上を図っていきつつ、その過程で産業界とも連携し、技術の社会実装の促進を図るとしている。

また、学生や教職員の交流も促進させ、相互の知見や経験を共有することで、教育・研究の質向上と人材育成の活性化を図るともしており、有明高専では、2025年度初頭の設置を目指している「サーキットデザイン教育センター(Circuit Design and Education Center、CDEC(呼び方はシーデック)」(仮称)にd.labと高専をつなぐハブとしての役割を持たせ、全国の国立51高専と連携し、高専によける半導体設計教育と研究活動の機能強化を進め、日本の半導体関連産業を支える人材育成と輩出を目指すとしている。

なお、今回の連携の署名式に関しては1月31日に開催される予定だという。