Advanced Micro Devices(AMD)が米国の創薬企業であるAbsciに2000万ドルを投資する。ヘルスケア分野でAI半導体の利用を促進する動きと見られる。

創薬ワークロードの一部をAMDのGPUに移行する計画

今回の取引は、上場企業への私募形式の投資(PIPE)として構成され、Absciへの出資も含まれているという。出資比率は公開されていない。

Absciは2011年創業のバイオテクノロジー企業で、AIと拡張性のあるウェットラボ技術を組み合わせた創薬を行う。創薬プラットフォーム「Integrated Drug Creation」を持ち、開発と治療効果の両方にとって重要な薬剤特性を最適化することで、臨床までの時間を短縮し成功確率を高めるとしている。従業員は約160人。これまでに5億6700億ドルを調達し、2021年に上場している。

AMDのCTO、Mark Papermaster氏は「垂直市場へのフォーカスを拡大し、社会にすぐに影響を与えることができるヘルスケアを優先している」とコメントしている。

Absciの創業者でCEOを務めるSean McClain氏によると、AMDによる投資の一環としてAMD製GPUの使用を増加させるという。同社は470以上のAI半導体があるが、その多くがNVIDIA製で今後は創薬ワークロードの一部をAMDのGPUに移行する計画だという。

AMDとの協力により、ヘルスケア分野とAIを活用した創薬業務に最適なハードウェアとソフトウェアを開発しているとも述べている。1月8日付のWall Street Journalが報じている。