2025年は18棟の半導体工場が建設開始予定

SEMIは1月7日(米国時間)、世界1500以上の半導体前工程ファブについて、前年~今年~翌年の3年間にわたる生産能力、プロセスルール、ウェハサイズ、設備投資情報を提供するデータベース「World Fab Forecastレポート」の2024年第4四半期版を発行。それによると、2025年に18棟の新たな半導体工場の建設が開始される見込みであるという。

  • 2025年に建設が開始される予定の半導体工場の建設地

    2025年に建設が開始される予定の半導体工場の建設地 (出所:SEMI)

国・地域別にみると米国と日本が4棟、中国とEMEA(欧州・中東)が各3棟、台湾が2棟、韓国と東南アジアが各1棟となっており、ウェハサイズは300mmウェハが15棟、200mmウェハが3棟で、この大半が2026年から2027年にかけての稼働開始を予定しているとする。

新工場の稼働開始で全世界の生産能力は前年比6.6%増の予測

また、2023年から2025年までの3年間の間に97棟の50mmウェハから300mmウェハに至る新たな量産工場の稼働開始が予定されており、その内2024年が48棟で、2025年は32棟が予定されているという。

これらの半導体工場の稼働開始に伴い、2025年の半導体生産能力は前年比6.6%増の月産3360万枚(200mmウェハ換算)になると予測されている。そのけん引役はHPCアプリケーションにおける先端ロジック技術とエッジデバイスにおける生成AIだとSEMIでは説明している。そのため7nmプロセス以下の生産能力の伸びが高く、2025年には同16%増の月産30万枚以上増となる月産220万枚になると予想されるとする。

また、中国が国策で進める半導体の自給戦略と、自動車市場の回復ならびにIoT関連の需要の伸びなどもあり、数量としての主流プロセス(8nm~45nm)については同6%増の月産1500万枚を超える規模に拡大することが予測されるが、50nm以上の成熟プロセスについては市場の回復の遅れと稼働率の低さから、同5%増の月産1400万枚に留まると予測している。

生産能力の増加の中心はファウンドリ

SEMIによると、生産能力の拡大の中心はファウンドリで、2025年のファウンドリ分野の生産能力は同10.9%増の月産1260万枚となると予測されるという。メモリについては同2.9%増と緩やかな伸びを予測しているが、生成AI需要の高まりを背景にDRAMとNANDで生産能力の伸びに乖離が生じつつあるとしており、DRAMについては同7%増の月産450万枚、3D NANDは同5%増の月産370万枚との見込みを示している。