西日本電信電話(以下、NTT西日本)とtonariは12月13日、「All-Photonics Connect powered by IOWN」(以下、IOWN APN)の特長である低遅延性を用いて、臨場感があり対面と変わらない自然なリモートコミュニケーション実現を目指す取り組みを開始することを発表した。
実証の背景
NTTグループは、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想を通じて物理的な距離や心理的な障壁を超え、遠くの人や物と空間や感覚を共有できる体験価値の提供を目指す。
コロナ禍でリモートコミュニケーションが普及したものの、従来のWeb会議ツールは遅延による音声・映像品質の低下によるストレスや、非言語の微妙なニュアンスが伝わらないといった課題が残される。
そこで今回は、対面で会っているかのように空間をつなぐポータルサービス「tonari」と、低遅延でゆらぎの小さい「IOWN APN」を組み合わせることで、リモートコミュニケーションによるデメリットの解消を目指す実証を開始する。
この取り組みを通じて「IOWN APN × tonari」による距離を超える仕組みを、新たなコミュニケーションの手段として確立し、リモートコミュニケーションの価値向上を狙う。将来的にはこの仕組みを医療や教育、エンタメなど、対面でないと実現できないとされる分野への導入も検討する。
実証内容
今回の実証では、NTT西日本が運営する「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」と「LINKSPARK OSAKA」の2拠点をIOWN APNで接続する。QUINTBRIDGEは大阪市に位置するオープンイノベーション施設で、企業や自治体が集まり共同で事業創出などに取り組む。一方のLINKSPARK OSAKAはDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する拠点として稼働し、AI技術やデータ分析を活用したソリューション提供やセミナー開催などに利用される。
これらの両施設をtonariでつなぐことで、NTT西日本社内と外部の企業やスタートアップ、自治体とのオープンイノベーション創出を図る。さらには、tonariを通じて近い未来に実現するリモートコミュニケーションのあり方を模索するとのことだ。
IOWN×tonariの将来性
tonariは現在、3Kの高解像度と60フレーム / 秒のレートを実現し、100ミリ秒未満という超低遅延での伝送により高品質な遠隔コミュニケーションを支えている。IOWN APNの活用によりtonariがバージョンアップすることで、性能の飛躍的な向上が期待できるという。例として、16Kの解像度と240フレーム / 秒といった重いデータもIOWN APNにより非圧縮でデータ伝送できるため、物理的な距離を越えた没入感のあるコミュニケーションも実現可能とのことだ。
医療分野では、16Kの解像度でミクロレベルの詳細をリアルタイムに共有する遠隔手術や、複雑な手術手技のリアルタイム指導、科学研究分野では複雑な実験のリアルタイム観察と協業、エンタメ分野では世界のミュージシャンとのリアルタイムセッションなども見込めるとしている。

