パナソニック オートモーティブシステムズは、同社が製造・販売するスマートフォン向け車載ワイヤレス充電器の累計出荷台数が、グローバルで1,000万台を突破したと11月28日に発表した。

  • パナソニック オートモーティブシステムズの車載ワイヤレス充電器のイメージ

同社の車載ワイヤレス充電器は、車載純正CD/DVDデッキで培った光ピックアップ技術を活用した、充電位置決めの精度を高める独自の「ムービングコイル方式」を採用した点が大きな特徴。

車両走行時に振動が発生してもスマホの位置ズレに対応することで効率的な充電を実現しており、2024年11月現在では、国内外の自動車モデル90車種以上に採用されているという。なお、前出の出荷台数は2013年12月~2024年7月までの累計値となる。

  • パナソニック オートモーティブシステムズのワイヤレス充電器グローバル累計出荷台数

ワイヤレス給電の国際標準規格「Qi」(チー)が策定されたのは2010年。パナソニック オートモーティブシステムズでは、携帯電話や充電、電池、車載の技術・知見を有する車載機器メーカーとして、ムービングコイル方式を採用したQi対応の車載ワイヤレス充電器を開発し、発熱対策等の安全確保など車載基準の課題も解決。2013年12月からムービングコイル搭載の初号機を量産し、初の国内向けライン純正商品として自動車メーカーへ納入を開始した。

その後、デバイスの薄型・軽量・小型化や急速充電機能の向上を図り、2021年1月には、振動による位置ズレに対する充電範囲のカバー率を高めた2軸のムービングコイル方式を採用した製品を開発。採用車種も拡がり、2021年度には累計出荷台数500万台を突破している。

2023年7月には、Qi規格のVer. 1.3.2対応モデルを製品化。独自の充電アルゴリズムを採用することで、スマートフォンケースの使用を想定した厚みへ対応し、大型スマートフォンやカバー装着時でも高効率な充電を可能にした。こうした技術革新と、世界的なQi規格採用の高まりを背景とし、2024年7月には累計出荷台数が1,000万台を突破。

今後もスマホ向け車室内充電へのニーズに応え、ムービングコイル技術を活用したワイヤレス充電器の大電力化・高効率化を進化させ、安全・安心で快適なドライビング環境に寄与するとしている。