キヤノンは11月20日、点検目的で撮影したインフラ構造物の画像をクラウド上にアップロードすることで、ひび割れなどの変状を検知し、その結果をダウンロードして点検調書作成に活用可能な変状検知サービス「インスペクションEYE forインフラCloud Edition」の提供を開始した。

新サービス提供の背景

橋梁やトンネルなどの社会インフラ構造物は、高度経済成長期に建設されたものが多く、急速な老朽化が懸念されている方で、これまで行われてきた近接目視での点検は作業時間や労力、コスト、安全面などに課題があったという。

このような背景から、現在ではカメラやドローンを活用して構造物の表面を撮影し、その撮影画像に対してAIを活用して、ひび割れなどの検出・記録をはじめ、従来と同等の点検を実現する点検手法が利用されている。

同社では、2019年12月に社会インフラ構造物点検事業に参入、土木業界における慢性的な労働力不足をDX(デジタルトランスフォーメーション)で解決することを目的に、カメラメーカーとしてこれまで培ってきた撮影技術や画像解析技術を活かした「インスペクションEYE for インフラ」の提供を開始し、点検作業の効率化・高度化をサポートしている。

  • 変状検知結果のイメージ

    変状検知結果のイメージ

新サービスの概要

新たに提供を開始するサービスは、AIを活用した変状検知サービスをクラウド上で行うことができる。

  • 新サービスのイメージ

    新サービスのイメージ

点検作業者自身が、撮影した社会インフラ構造物の画像をクラウド上にアップロードすることで、自動的にひび割れ、エフロレッセンス(遊離石灰)、鉄筋露出、はく落、錆汁の変状検知を可能としている。

また、その結果を編集し、画像/CADデータとしてダウンロードすることが可能。点検実施者が従来手作業で行ってきた変状の記録がAIにより自動化され、クラウドから短時間で結果を入手できるという。