日立ヴァンタラは11月13日、データプラットフォーム「Hitachi Virtual Storage Platform One (VSP One)」のハイブリッドクラウド機能を強化し、5月に発売されたミッドレンジストレージ「VSP One 2U Block Appliance」とソフトウェア・デファインド・ストレージ「VSP One SDS Cloud」によるクラウドへのリモートコピー機能を提供開始した。価格は個別見積もり。
今回、VSP One 2U Block Applianceのクラウド連携機能を強化し、VSP One SDS Cloudとのシームレスなデータ連携を実現した。
具体的には、日立ストレージの非同期リモートコピー機能「Hitachi Universal Replicator」によるオンプレミスとクラウド間のデータ連携が可能となり、同期リモートコピーと比べて大幅な距離拡大と距離に依存しない応答性能を実現。データの順序と一貫性を保つ技術がハイブリッドクラウド環境で利用できるようになった。
この強化により、クラウドを活用したバックアップ、ディザスタリカバリ、セキュリティ対策が実現し、ハイブリッドクラウドシステムの堅牢化が期待される。
さらに、クラウドに最新データを自動同期することで、生成AIを含む高度なデータ分析が容易になり、迅速な意思決定や業務改善に役立つ。また、クラウド連携により、オンプレミス構成と比べてストレージコストが約20%削減され、ITコストの最適化にも貢献するとしている。
VSP One SDS Cloudは、日立独自のデータ保護技術「Hitachi Polyphase Erasure Coding」に対応し、高いデータ冗長化を実現。今回、マルチアベイラビリティゾーンへの対応が追加され、広域な障害にも強い可用性が強化された。
これにより、クラウドストレージ間でのデータ保護、迅速な復旧、業務継続、ディザスタリカバリが可能となる。VSP One SDS Cloudは日立ヴァンタラのクラウドストレージサービスとして、AWS Marketplaceでも利用可能。
増加するオンプレミスからクラウドへのバックアップや生成AIのデータ活用ニーズに応え、「Hitachi Remote Copy設計&構築サービス for ハイブリッドクラウドストレージ」では、経験豊富なエンジニアが最適なハイブリッドクラウド環境の設計・構築をサポートする。
なお、VSP Oneは、オンプレミスとクラウド上のデータを一元化するデータプラットフォーム。効率的なデータ管理を実現するVSP One 2U Block Applianceや、オンプレミスの高信頼技術を継承したクラウドストレージVSP One SDS Cloudで構成される。12月2日~6日に米国にて開催されるAWS re:Inventの日立グループ展示エリアにて紹介予定とのことだ。