サティス製薬は、「1人でも多くの女性に正しい綺麗を」というビジョンのもと、天然由来成分を中心とした高性能化粧品の開発とOEMを展開している。このほど、予算にあわせて30万円からブランド立ち上げが可能なスキンケア化粧品のOEMサービス「WITH BRAND Project」を始めた。山崎智士社長に新サービスを始めた背景や狙いについて聞いた。
──御社の最近の取り組みについて教えてください。
当社は通販やDtoCなどダイレクトマーケティングでビジネスを展開する企業や個人に対して化粧品OEMを手掛ける企業として事業を行っています。ブランドとユーザーがダイレクトにつながることによって息の長い商品になっていき、間接コストをより良い商品づくり、付加価値に投資することができると考えています。
すでに事業展開しているブランドの追加商品を請け負うこともございますが、新規ブランドの立ち上げの際に当社を選んでいただける機会が多く、事業そのものの立ち上げ支援を得意としております。
スキンケアは複数の商品を組み合わせてケアができると考えています。1個だけ作るのでは最適なケアにならず、連続性に基づいて設計していくことにこだわっています。
──従来の企業に加えて個人にも取引先を広げています。
予算にあわせて30万円からブランド立ち上げが可能な、スキンケア化粧品のOEMサービス「WITH BRAND Project」を始めました。誰でも予算にあわせて30万円から、スキンケア化粧品のブランド立ち上げができるサービスです。ブランドや製品のコンセプト設計から処方開発、製造、販売の支援まで一貫して、当社の専門スタッフが伴走します。
そのため、化粧品のコンセプトや成分に関する知識、ブランド開発の経験がない個人の方でも、望みの処方で化粧品を作り、自身のブランドを立ち上げることが可能です。
このサービスを開始したのはマーケットのニーズの多様化が背景にあります。これから芽吹いてくるだろうという層の掘り起こしが目的です。例えば、テレビなどのマス広告で、自分に合っているのか合わないのかが分からない化粧品を購入するのではなく、自分のライフスタイルや価値観に合わせて求めているもの、つまりパーソナライズされたものを求めるニーズがあります。
対象とするセグメントに固有のベネフィットを提供することがブランドの使命だとすると、世間の消費財はより細かなニーズに対応することが求められていて、ブランドもニッチな市場にフィットしていく必要があります。マーケットに的確に商品を提案できるようにするため、その当事者に開発に携わってもらうことが目的です。
もう1つは、ヒットのタネをまき続けることで、ヒット商品にならない商品であっても、ニッチなニーズに対応できる商品が生まれることを期待しています。
<ブランド継続をサポート>
──ブランドを守るための施策も用意しています。
当社では「ブランドセーフティーネット」と呼んでいます。立ち上がったブランドがきちんと継続できるようにサポートする体制づくりも並行して準備しています。さらに、社内のDX化も進めており、ブランドを立ち上げるスピードを高めています。
ブランドオーナーは独自のECサイトを持たず「WITH BRAND」というモールのなかに商品が掲載されるイメージを想定しています。この「WITH BRAND」は、自社サイトに加えて、楽天市場やアマゾンなどへの出店も予定しています。
ブランドオーナーには、新たな発想とアイデアを提案してもらうと同時に、ユーザーにメルマガを配信したり、同梱するメッセージを入れたりするなど、小さなブランドだからこそできるワントゥワンでコミュニケーションできるようにしていきたいと考えています。
楽天市場には11月中に出店を予定し、自社ECサイトについては来年をめどに立ち上げていく予定です。現在のところ多くの反響をいただいており、新規事業として成長を期待しています。