NTTデータグループは11月6日、2025年3月期第2四半期中間期(2024年4月~9月)の連結決算を発表した。

売上高は前年同期比7.8%増の2兆2400億円、営業利益は同22.3%増の1490億円、税引前中間利益は同14.9%増の1098億円、中間利益は同9.0%増の578億円、当期包括利益は同85.2%減の251億円となった。

  • NTTデータグループ 22025年3月期第2四半期中間期実績

2025年3月期第2四半期(中間期)の概況

代表取締役社長 佐々木裕氏は、「前年度に対し増収・増益となっており、通期業績予想に対して順調に進捗している」と語った。

  • NTTデータグループ 代表取締役社長 兼 NTTデータ代表取締役社長 佐々木裕氏

受注高は前年同期比15.4%増の2兆5004億円と、国内、海外のいずれも好調だった。国内は、公共・社会基盤、金融、法人のいずれのセグメントも増加した。海外においては、GTSSのデータセンター事業やSAP事業に加え、North Americaも増加した。

  • NTTデータグループ 2025年3月期 第2四半期実績 受注高

売上高は、国内は各セグメントが好調だったのに対し、海外はGTSSのデータセンター事業やSAP事業が好調の一方、Regional Unitは減収傾向となった。EMEALはスペインや南米が好調だったが、UKやドイツで減収したという。

営業利益は国内・海外ともに増益となった。国内の利益には不採算費用の剥落が、海外の利益には海外事業構造改革費用の剥落が含まれている。

日本セグメントの状況

上半期において、「公共・社会基盤」は、複数の中央府省向け大型案件により増収を達成。下半期においても、顧客の堅調な投資需要を確実に獲得することで、さらなる成長を狙う。

「金融」に関しては、大手金融機関では、顧客接点・顧客体験の強化や業界の枠を超えた金融サービス実現のためのITサービス投資が増加しているという。地域金融機関のIT投資は横ばいだが、地銀再編による新たなIT投資や勘定系システムオープン化に向けた動きの拡大が期待されるという。こうした中、上半期は、大手金融機関向け案件の拡大が増収を牽引した。

「法人」においては、すべてのインダストリーで、DX(デジタルトランスフォーメーション)や生成AI、サステナビリティ関連の事業機会が堅調に拡大しているという。企業の経営課題が多様化する中、コンサルティング力・エンジニアリング力をベースに、ワンストップで顧客の経営課題の解決を能動的にサポートすることが求められていることから、上半期は顧客の戦略パートナーとしての貢献に注力し、幅広い業界向けにビジネスを展開した。

佐々木氏は、日本セグメントの最新情報として、国内データセンターにおけるソブリンクラウドニーズへの対応を紹介した。同社は今年10月、「Oracle Alloy」を採用し、同社データセンターで運用しているソブリンクラウド「OpenCanvas」のサービスラインアップを拡充した。「OpenCanvas」関連ビジネスにおいて、2030年度までに1,000億円の売上を目指す。

海外セグメントの状況

「North America」は、上半期、ヘルスケア分野等での大型案件の剥落や、通信端末機器販売の減少により減収した。一方で、新規案件・拡大案件の受注パイプラインは、複数の大型案件により期初から増加している。佐々木氏は、「北米においては、売上・利益の確保に向けて、ラージアカウントをとるために戦略を立てている」と説明した。

「EMEAL」は、スペイン・南米が好調の一方、景気の影響もありUK・ドイツは減収となった。佐々木氏は、「ドイツは市場が厳しく、大型案件の獲得に至らないが、ドイツは手を打っており受注が増えてきている。年度内にリカバリを図って来年度は成長軌道に乗せたい。一方、UKは手が打てていないので、しっかりとした対応が必要と考えている」と述べた。

「APAC」は、オーストラリア・シンガポール・インドの事業規模が大きいが、シンガポールは好調なものの、オーストラリアは特定顧客の失注等の影響により減収した。オーストラリアでは、新しい経営体制による立て直しを図っているという。

「Global Technology and Solution Services(GTTS)」は、上半期、データセンター事業、SAP事業が好調だった。データセンター事業の需要は、生成AIにより20%以上の追加成長が見込まれているほか、SAP事業は企業のクラウドERPへの移行需要が引き続き旺盛であることから、下半期も順調な成長を狙うとしている。

上半期のデータセンター事業は、ハイパースケーラー向けの受注が好調で、受注実績は約4,600億円に達した。佐々木氏によると、上半期は需要の8割から9割がハイパースケーラーだったという。2024年度通期で10棟、約410MWを提供開始予定で、上半期は、4棟、約180MWを提供開始した。

また、佐々木氏は「昨今のトレンドから、GPUを含めたAIデータセンターの利用が増えると認識している。AIになると冷却の方法も変わってくるので、冷却技術への対応を進めている」と語っていた。

  • NTTデータグループ 2025年3月期 第2四半期実績 データセンター事業の投資・受注等の状況