Intelは10月28日、中国顧客のサポート強化を目的に、中国内陸部の四川省成都市にある同社の半導体後工程(パッケージングおよび最終テスト)拠点を拡張することを、中国語のSNSであるWeixinの同社公式アカウントにてIntel上級副社長兼Intel China会長の王瑞氏の名前で発表した。

  • Intelの成都工場の外観

    Intelの成都工場の外観 (出所:Intel China)

成都にカスタムソリューションセンタの開設を計画

それによると、既存のクライアント製品のパッケージングとテストをベースに、サーバチップのパッケージングとテストサービスを提供し、現地サプライチェーンの効率を向上させ、中国顧客へのサポートを強化することを目的に「Intelカスタムソリューションセンタ」を設立するとしており、すでに建設作業が進んでいるという。

この拡張される新たな能力は、高い電力効率を提供するカスタムパッケージングソリューションを求める中国顧客のニーズに応えるためのもので、サーバチップのパッケージングおよびテストサービスの提供に重点を置くとのことで、これによりIntelは中国顧客およびエコシステムパートナーと協力して、カスタマイズされたソリューションの提供を進めるとしている。

中国顧客重視の姿勢を取るIntel

Intel Chinaトップの王鋭氏は「中国に根ざして顧客にサービスを提供するというIntelの戦略は変わっていない」とするコメントを出し、成都の拠点拡充に伴い、中国顧客のニーズに重点を置くことを強調。また、「成都は中国西部地域の質の高い発展を推進する中心都市として、一流のビジネス環境を備えており、Intelも20年以上にわたり関わり、地元のエコシステムとコミュニティの構築に深く関わってきた。成都の拠点拡張がIntelと業界の協力を深める新たなマイルストーンとなることを期待している」とも述べている。

成都のハイテク総合保税地区にあるIntelのパッケージングおよびテスト拠点は、2003年8月に工場設立が発表され、翌2004年2月より工場第1期の建設を開始。同年末までに完成を迎え、生産を開始し、2025年以降、全世界に製品の輸出を行ってきた。工場第2期は2005年8月より開始、2006年10月に完了したほか、2007年にはマイクロプロセッサの生産も開始しており、2023年にはIntelのPat Gelsinger CEOが参加する形で創立20周年記念式典も執り行われている。

  • Intel成都施設創設20周年記念式典での記念撮影の様子

    2023年にIntel米国本社からPat Gelsinger CEO(最前列中央)を迎えて開催されたIntel成都施設創設20周年記念式典での記念撮影の様子 (出所:Intel China)

なお、Intelは同拠点について、「設立以来、進歩を続けており、従業員のケア、コミュニティへの貢献、持続可能な開発の促進のベンチマークとなっている」と説明するほか、将来を見据えて、持続可能な開発という中核概念を堅持し、グリーンオペレーションの推進、地元サプライチェーンの効率向上に尽力し、コミュニティ構築やボランティア奉仕活動に参加して、パートナーや従業員と協力して、中国の地元顧客に効率的なサービスを提供していくともしており、米国の対中半導体規制の中でも中国顧客を重視していることをコメントしている。