あらゆる立場の人が対話や体験を通じ、科学技術と社会をつなぐ国内最大級のイベント「サイエンスアゴラ2024」が26~27日、東京・お台場のテレコムセンタービルと日本科学未来館で開かれる。科学技術振興機構(JST)が主催。実に5年ぶりの完全実地開催で、約150の企画が実現する。25日夜には前夜祭をオンラインで配信する。
サイエンスアゴラは、未来社会のあり方を市民や科学者、政策立案者らが共に考え、知を紡ぐイベントとして2006年から開催している。今年のテーマは「サイエンスと共に未来へ~Bound for the future with Science~」。実地の対話や体験により得られる価値を重視して企画を募集し、多彩な企画が決まった。
メイン会場のテレコムセンタービルでは来場者の好奇心を刺激し、出展者の間で新たなつながりが生まれるよう企画の配置を工夫する「キュレーション」を実施。「地球・生き物・私たち」「食・暮らし・健康」など5つのジャンルを設けた。科学コミュニケーション分野で活躍するアナウンサーで同志社大学助教の桝太一氏ら、有識者11人で構成する「サイエンスアゴラ2024推進委員会」(委員長=次田彰JST理事)がこのキュレーションを進め、注目企画も選出した。
例年、お台場で開催してきたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でオンラインや、実地とオンラインの併催が続いてきた。今年は完全実地開催に戻り、テレコムセンタービルに加え、日本科学未来館でも実施する。所在地はいずれも東京都江東区青海(あおみ)。宮野公樹(なおき)・京都大学准教授らによる前夜祭「出展者に聞いてみる 企画のココが面白い!」は、25日午後7時半から動画サイト「ユーチューブ」で配信する。
一部の実費負担を除き参加は無料。来場は特設サイトからの事前登録を推奨している。一部に事前登録制や、整理券制の企画がある。参加方法などの詳細は、特設サイトで公開している。
推進委員会が選んだ注目企画は、キュレーションのジャンル別に、次の通り。丸カッコ内は開催日と形態(「ブース」は終日、「セッション」は特定の日時に実施されるもの。いずれもテレコムセンタービル内)。末尾は出展者名。
【学び・体験・ものづくり】
- 国際科学オリンピックワークショップを体験しよう!(10月26~27日、ブース)=日本科学オリンピック委員会
- さわって問い生む、探究トイ展。(同)=明星大学情報学研究科附属学習科学研究所
【食・暮らし・健康】
- 今、起きている「食と科学」の新たな変化を語ろう!(同)=経営支援NPOクラブ
- めぐる・つながる・ひろがる~未知なる価値への冒険~(同)=メルカリR4D
- ウイルスの謎に迫る!~研究最前線から共存する未来まで~(26日午後3時半、セッション)=東京大学医科学研究所感染・免疫部門システムウイルス学分野
- ろう・難聴者と聴者でインクルーシブ防災を考えよう(26日午後1時半、セッション)=片岡AMEDプロジェクトチーム
【地球・生き物・私たち】
- 生き物に学ぶネイチャーテクノロジー(26~27日、ブース)=東京大学大学院農学研究科香坂研究室
【研究・対話・エンタメ】
- みんなの声聞かせて!科学と共創する未来を作ろう!(同)=日本科学振興協会(JAAS)
- ダリの“め”美術館~AIと私の未来を語る展~(同)=立教大学理学部SCOLA
- ダークマター研究の未来 君ならどう挑む?(27日午後1時、セッション)=高エネルギー加速器研究機構(KEK)
【街・空間・身体拡張】
- 都市型DAC-Uシステム(人工光合成)の描く未来(26~27日、ブース)=NEDO MSPJ 都市型DAC-Uシステム(人工光合成)
- イノベーションでFUKUSHIMAが変わる(同)=福島イノベーション・コースト構想推進機構
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