静岡銀行と日立製作所(日立)は9月9日、パブリッククラウド上で稼働する勘定系システムの構築を開始すると発表した。両社が共同で開発したオープン勘定系システムが2027年中にアマゾン ウェブ サービス(AWS)上で本番稼働する。これにより静岡銀行は、業務継続体制の強化を図るとともに、消費電力の削減を通じて脱炭素社会の実現につなげる考えだ。

  • 静岡銀行はパブリッククラウド上で稼働する勘定系システムの構築を開始する

    静岡銀行はパブリッククラウド上で稼働する勘定系システムの構築を開始する

同システムでは、2021年に稼働したオープン勘定系システムをAWS上へ移行してパブリッククラウド上で稼働させる。静岡銀行と日立が共同開発したオープン勘定系システムは、「OpenStage」としてパッケージ化されて他の金融機関にも導入が進んでいるという。

今回、オープン勘定系システムをAWS上へ移行させることで、データセンター障害時や災害時における業務継続力の向上や、バックアップセンター切替時におけるロストデータ、切替時間の改善などのオペレーショナル・レジリエンスを実現できる。

また、データセンターの安全対策、ウィルス対策、ランサムウェア対策など、クラウド先進技術の活用により高いセキュリティを実現し、パブリッククラウドに移行することで温室効果ガス排出量の削減にもつながる。

拡張性・持続可能性も向上し、保守・運用作業やコストの削減も期待できる。

静岡銀行は今後、クラウドファーストの取り組みを進めることで、付加価値の高い商品・サービスの迅速な提供を推進していく。また、将来的にデータセンターレスを目指し、消費電力の削減を図るなど、地域における脱炭素社会の実現にもつなげていく考えだ。