ソフトバンクがAIチップの開発で、Intel(インテル)との協業交渉を終了したという。代わって、TSMC(台湾積体電路製造)と交渉を開始したと報じられている。しかし、交渉は難航するかもしれない。

インテルとの交渉は物別れに

ソフトバンクは、「イザナギ」というプロジェクト名でAIチップの開発を進めている。イザナギはNVIDIAに対抗するレベルを目指すとされており、2024年2月にはイザナギに最大1000億ドルを投資する可能性があることがBloombergなどにより報じられていた。

イザナギはAIチップの開発にとどまらず、独自のソフトウェアスタック、データセンターのインフラ、電力供給などを含む包括的なプロジェクトだという。ソフトバンクは7月、AIチップの英Graphcoreの買収を発表している。

同社はイザナギプロジェクトでチップの生産でインテルと交渉を重ねていたが、交渉は物別れに終わったという。その理由として、インテルは量、スピードの両方の面でソフトバンクが求める要件を満たせない判断した、としている。

その後、ソフトバンクは、AIチップの生産でTSMCと交渉しているのこと。TSMCは既存顧客の需要対応に追われており、合意にはまだ至っていないという。TSMCはNVIDIAなどを顧客に持つ。

インテルは8月に入り全体の15%にあたる大規模な人員削減計画を発表しているが、ソフトバンクが同社と交渉を終了したのはその前だという。Financial Times(FT)が8月15日付で報じている。