全長約37mという世界最大級の巨大竜脚類「パタゴティタン・マヨルム」の全身復元骨格標本をはじめとする約100点の展示物を通して、生物の巨大化や進化を学べる「巨大恐竜展 2024」が2024年7月13日~9月13日にかけて、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜にて開催される。

  • 「巨大恐竜展2024」会場の入り口

    「巨大恐竜展 2024」会場の入り口。すでに大型の竜脚類の化石が見えるが、これは「パタゴティタン・マヨルム」ではなく、全長は20mを超すと推定される「トゥリアサウルス」

同展は、2024年1月に英国ロンドンの大英自然史博物館(Natural History Museum, London)で同館史上最多来場者数を記録した企画展「Titanosaur:Life as the Biggest Dinosaur」の国際巡回展の第1会場として開催されるもので、日本独自の展示として福井県立恐竜博物館、福井県立大学恐竜学研究所の監修のもと、竜脚類以外の恐竜や恐竜以外の標本を含めた約100点の展示物をみることができるものとなっている。

会場は大きく第1章の「生物の巨大化」、第2章の「恐竜の巨大化」、第3章の「ティタノサウルス類:最も大きな恐竜たちのくらし」、第4章の「さまざまな竜脚類」、第5章の「巨大恐竜の終焉」という5章で構成されている。

第1章は、今生きている動物から絶滅動物まで、「巨大」な生き物が集結。生物がどのように巨大化したのか、なぜ大きくなる必要があったのかを考えることができる。

  • 巨大恐竜展2024
  • 巨大恐竜展2024
  • 巨大恐竜展2024
  • 会場に入った途端に出迎えてくれるのはトゥリアサウルスとゾウの中でも最大級と言われる「ステップマンモス」。その後ろには現在の地球上での巨大生物に位置づけられるクジラの一種「ナガスクジラ」も控えている

第2章では、世代を経るごとに巨大化していった恐竜たち、その進化をたどっていくことができるほか、ハイクオリティなロボット開発で定評のあるココロが手掛けた獲物を捕るシーンを再現したスピノサウルスが、実際に動いている様子を見る事ができる。また、トリケラトプスも展示されているが、右側と左側で展示内容が異なるという面白い仕掛けも用意されている。

  • ティラノサウルス

    人気のティラノサウルスも待ち構えている

  • スピノサウルスの実物大ロボット

    スピノサウルスの実物大ロボット。間近でその動く様子を見ることができる

スピノサウルスの実物大ロボットが動いている様子(注意:序盤で大きな音が出ます)

  • トリケラトプス

    トリケラトプスは左半分が骨格と筋肉系、右半分が生体復元というユニークな作りとなっている

第3章が今回の目玉であるパタゴティタン・マヨルムの全身復元骨格標本を間近で見ることができるエリア。そこに至る通路にはパタゴティタン・マヨルムの誕生から成長して大きくなっていくまでのストーリーを楽しめるタッチパネル端末も設置されているほか、パタゴティタン・マヨルムの体内のイメージや、パタゴティタン・マヨルムを狙う肉食恐竜の存在なども学ぶことができる。

  • パタゴティタン・マヨルム
  • パタゴティタン・マヨルム
  • パタゴティタン・マヨルム
  • パタゴティタン・マヨルム。足下近くまで近寄って下から見上げることもできる

第4章は、パタゴティタン・マヨルム以外の竜脚類を数多く見れるエリア。日本の福井県で見つかった「フクイティタン」のロボットなども展示されている。

  • バロサウルスのロボット

    バロサウルスのロボット。左側にある葉っぱのついた木をバロサウルス側に倒してやると、その葉を食べるために顔を近づけてくれる

バロサウルス(ロボット)は近くの木を倒して近づけてあげると、それに反応して動いてくれる

  • フクイティタンのロボット

    2010年に新属新種として名付けられたフクイティタンのロボットも待ち構えている

フクイティタンのロボット。足元にはフクイティタンの大腿骨、上腕骨、橈骨(とうこつ)の化石の複製も展示されている

  • 歯の形や生え方が異なっていることも分かる

    同じ草食恐竜であっても、よく見ると歯の形や生え方が異なっていることも分かる展示も用意されている

そして第5章は、さまざまな草食恐竜たちの生存戦略を学ぶことができるエリアとなっており、草食恐竜と言っても、草の食べ方にもいろいろな方法があること、草を食べるのに適した歯の仕組みなどを学ぶことができる。

  • ヨロイ竜類のデンバーサウルス
  • チンタオサウルス
  • ヨロイ竜類のデンバーサウルスや、チンタオサウルスなど、特徴的な恐竜たちが最後まで待っていてくれる

また、音声ガイドナビゲーターは、お笑い芸人のサンシャイン池崎さんが担当しているほか、声優の山下大輝さんが「恐竜少年」 として参加。2人さまざまなやり取りを通して、恐竜についての面白い話のほか、クイズや同展監修者である福井県立恐竜博物館の関谷透 主任研究員の特別解説も聞くことができる。

  • 音声ガイドは有料

    音声ガイドは有料(ガイド機のレンタル料は650円、アプリ内課金の場合700円)。単なる音声だけではなく、端末上に内容に応じた映像も表示される場合もある

ちなみにサンシャイン池崎さんは、同展の開催に先立つ7月10日に、パタゴティタン・マヨルムの頭骨を首に据え付ける作業も行っている。

  • パタゴティタン・マヨルムの頭骨の設置作業

    音声ガイドナビゲーターを務めるサンシャイン池崎さんは実際に高所作業車に乗り、パタゴティタン・マヨルムの頭骨の設置作業を行った

このほか、同展会場のほか、横浜マリンタワーなどで、横浜周遊マップ付きの同展と横浜を楽しめるスタンプラリーシートも配布されている(公式Webサイト上からも同じものがダウンロードが可能)。スタンプスポットは全部で6カ所あり、このうち4つ以上のスタンプをゲットすると、会場前の入場口もしくは横浜マリンタワーにてオリジナルポストカードをもらうことができる(ポストカードの配布は、用意した枚数がなくなり次第終了の予定)。また、会期の多くが学校の夏休みに重なるということもあり、夏休みの自由研究にも利用できるワークシートも公式Webサイトにて用意されており、同展で学んだことをまとめて、「小学生の図鑑・自由研究コンクール」(主催は小学館の図鑑NEO·HugKum)に応募することも可能だという

  • 特設ショップ
  • 特設ショップ
  • 特設ショップ
  • 特設ショップ
  • 特設ショップ
  • 特設ショップ
  • 特設ショップ
  • 特設ショップ
  • 特設ショップ
  • 特設ショップ
  • 特設ショップ
  • 会場の最後は特設ショップが待っている。会場限定グッズやコラボグッズのほか、カプセルトイ、記念コインなども用意されている(両替機は新紙幣にも対応済み)

  • 展示会の公式図録

    展示会の公式図録ももちろん販売している

  • 撮影スポット
  • 撮影スポット
  • 会場内には数か所、こうした会場限定の記念写真を楽しめる撮影スポットが用意されている。この写真の購入は特設ショップに用意されている端末でできる

なお、開催概要は以下の通り。当日券も販売されるが、土日祝日やお盆期間中の繁忙期はアソビュー!・ARTPASS・美術展ナビチケットアプリなどで事前日時予約も可能となっている。

  • 会場:パシフィコ横浜 展示ホールA
  • 会期:2024年7月13日~9月13日
  • 開場時間:9:00~17:00(8月10日~18日は19:00まで、入場は閉場の30分前まで)
  • 入場料:平日は一般が2400円、高校・大学生が1800円、小中学生が1200円、3歳~が700円、土日祝日およびお盆期間(8/13-16)は一般が2700円、高校・大学生が2100円、小中学生が1400円、3歳~が900円(土日祝日・お盆期間向けにオンラインチケット販売あり。当日販売は行われるがチケット販売状況・会場の混雑状況により販売が制限される場合がある)
  • 注意事項:会場内でのフラッシュ撮影、一脚・三脚・自撮り棒の使用は禁止

ちなみに、この巨大恐竜展は2025年の夏に大阪でも開催される予定となっている(展示内容などが一部変更になる可能性などがある点に注意)。