セールスフォース・ジャパンはこのほど、ビジュアル分析プラットフォーム「Tableau」の最新機能に関する説明会を開催した。今年4月、プライベートイベント「Tableau Conference 2024」が開催され、さまざまな発表が行われた。

今回、注目の新機能として、生成AIとアナリティクスにより的確で迅速な意思決定を支援する「Tableau Pulse」、ユーザーのセルフサービス分析を後押しする「Einstein Copilot for Tableau」が紹介された。

信頼できるインサイトをAIで誰もが利用できるようにする新機能

セールスフォース・ジャパン 専務執行役員 Tableau事業統括本部統括本部長 森田青志氏は、データとアナリティクスの進化は「フルサービス」「セルフサービス」「パーソナライズ」という3つの波に分けられ、今はパーソナライゼーションの時代が来ていると説明した。

Tableauでは、生成AI機能を持たせて、ビジネスユーザーが見るべき数字にすぐにアクセスできるようにすることで、パーソナライゼーションを実現している。

AIによるインサイトへの探索へのニーズが高まっていることを受け、同社は信頼できるインサイトをAIで誰もが利用できるようにするため、2つのペルソナに対し、それぞれAI機能を発表した。

ビジネスユーザーに向けては「Tableau Pulse」を、また、アナリストに向けては「Einstein Copilot for Tableau」を提供する。

  • AI機能として「Tableau Pulse」と「Einstein Copilot for Tableau」を提供

Tableau Pulseの特徴

Tableau Pulseは、AI主導のインサイトとパーソナライズされた指標を使用して、組織内のすべての人がデータを日常業務に統合できるよう支援する。

Tableau Pulseはすべての Tableau Cloud エディションと組み込み分析ソリューションに含まれている。現在は英語版が提供されているが、来年1月までに日本語での利用が可能になる。

具体的には、生成 AI を活用して、自然言語でのインサイト サマリーを自動化し、ユーザーの質問を予測して主要な指標を表面化することで、誰もが毎日簡単にインサイトを活用できるようにする。

AIが推奨する指標をダッシュボードからデプロイする「Metric Bootstrapping」、目標を設定して進捗状況を追跡する「Pulse Goals」、質問に対する答えを得る「Pulse Q&A - Ask」といった機能を備えている。

森田氏は、「われわれはBIの民主化をうたってきたが、Tableau Pulseにより、Tableauにログインする暇もないといった人に対しても民主化が図れる。Tableau Pulseは2週間に1度機能強化が行われ、進化している」と説明した。

  • 「Tableau Pulse」の主な機能強化

  • 「Tableau Pulse」の操作画面

Einstein Copilot for Tableauの特徴

一方、Einstein Copilot for Tableauは会話型AIアシスタントで、生成 AIと統計分析を用いて、データのコンテキストを理解し、分析に役立つビジネス上の質問を作成して提案することができる。また、計算とメタデータの説明を生成することで、データ キュレーション 自動化する。

具体的には、自然言語による質問から計算とVizを作成できるほか、データの準備や計算の記述から会社のブランドガイドラインを使用したワークシートやダッシュボードの書式設定など、Einstein Copilot が多くの時間のかかる反復タスクを自動化する。

  • 「Einstein Copilot for Tableau」の操作画面。右のエリアで対話する

Tableau Conference 2024における主な発表

そのほか、森田氏はTableau Conference 2024で発表された内容として、パブリッククラウド向けインフラアーキテクチャのHyperforceでTableauも稼働する計画にあることを紹介した。HyperforceはAmazon Web Servicesの日本のポッド上で動いているという。

森田氏は、TableauがHyperforceで稼働するメリットについて、「セールスフォースと同等の拡張性、セキュリティ、コンプライアンスを手依拠できるようになる。今年の秋にGAの予定」と説明した。

また、コミュニティの人が待ち望んでいた機能として、Tableau Desktop Public Editionにおけるローカルファイルの保存が発表された。この機能により、ユーザーがワークブックを安全かつローカルで操作して保存して、Tableau Public コミュニティとオンラインで共有できるようになるという。