OSNewsは6月13日(現地時間)、「Exclusive: Mozilla reverses course, re-lists extensions it removed in Russia」において、Mozillaがロシア当局からの圧力によって5つの拡張機能をアドオンストアから削除したものの、数日後に方針を転換して再びこれらを復活させたと伝えた。
問題となった拡張機能は検閲防止機能を提供するもので、Mozillaではロシアの通信・情報技術・マスコミ分野監督庁から継続的に削除を求める要請を受けており、コミュニティとスタッフの安全に配慮して、ロシア国内での使用を一時的に制限する処置に踏み切ったという。
Mozillaはインターネットのオープン性とアクセシビリティを重視する
Mozillaによる拡張機能の制限は、「Censor Tracker」の作者によるフォーラムへの投稿で明らかにされた。この拡張機能はロシア政府における検閲を回避する目的で開発されたもので、Mozillaが運営するアドオンストアで公開されていた。しかし、最近になって突然、ロシアからCensor Trackerのページを表示することができなくなったという。
OSNewsがMozillaに問い合わせたところ、広報担当者はロシアの通信・情報技術・マスコミ分野監督庁からMozillaに対して、同様の機能を提供する5つの拡張機能について繰り返し削除を求める要請を受けたことを認めたという。Mozillaはこの決定について、ロシア国内の規制環境と、コミュニティとスタッフへの潜在的なリスクを考慮した上で下されたと説明している。
OSNewsが最初にこの件について報じた2日後、Mozillaは再び声明を出し、該当する拡張機能の削除を撤回して、アドオンストアのリストに復活させると発表した。これは、インターネットを誰もがアクセスできるオープンでグローバルな公共リソースとして位置付けているMozillaの基本原則に基づくものであるという。
今回の拡張機能の復活において、Mozillaはインターネットの「オープン性」と「アクセシビリティ」に対する取り組みを再確認するという決意を明らかにした。一時はロシアによる圧力に屈したかに見えたものの、最終的にコミュニティの意見を重視して、独裁的な要求に抵抗する決定を下したことは評価されるべきだろう。
Mozillaでは、引き続きロシア国内および世界中のユーザーのサポートに尽力し、すべての人にとってオープンでアクセスしやすいインターネットの実現を推進すると宣言している。